日時
平成21年6月29日 (月)  14:30~17:45
場所
神戸大学本部 大会議室
出席者
福田議長 (学長)、武田委員、田中委員、土井委員、横野委員、中村委員、石田委員、 正司委員、坂口委員、天野委員、河内委員、佐藤委員、谷井委員、新野委員、濵委員、平野委員、矢田委員
(オブザーバー) 中村監事、枡田監事、杉村病院長
欠席者
井戸委員、水越委員
議事要録について
第20回経営協議会の議事要録について、7月6日までに意見を頂き、役員会として確認の上、神戸大学のホームページに公表する旨説明があった。

協議事項

1. 平成20事業年度に係る業務の実績報告について

平成20事業年度に係る業務の実績に関する自己評価について説明を行い、審議の結果、原案を承認した。

2. 平成20年度財務諸表について

平成20年度財務諸表について、決算概況書、財務分析 (支出分析) 、 医学部附属病院決算及び財務諸表に添付する事業報告書 (案) に基づき説明を行い、 審議の結果、原案のとおり承認した。また、本件と併せて目的積立金取崩計画 (案) について説明を行い、審議の結果、原案のとおり承認した。

○ これからの大学運営は、各部局においても財務状況を分析し、 問題点を把握することが非常に重要であり、そのための資料として、財務分析 (支出分析) 資料ができたことはよいことである。 財務分析について、神戸大学だけではなく、旧帝大といくつかの主要大学を取り上げて比較することで、 国立大学法人が持つ大きな課題が見えてくるのではないか。

○ 日本の教育に係る労働生産性は、アメリカと比較して非常に高くなっている。 別の言い方をすると、日本はコストを下げて運営しているということの象徴であるが、 国立大学法人となって各大学が経営のために、一番大事な教育研究を推進するための教職員の処遇面を削らざるを得ない状況になっているとしたら、 日本の教育研究にとって、決定的にマイナスになることである。また、財務省のある報告書では、 「中学生レベルの学力」の大学生が増えているとあるが、これに応えられるような充実した大学教育を行うためには、 今の国立大学法人の会計制度では、絶対にいけない。教育の中身について、 このような政策を執ることによって、どの様なマイナス効果が出てくるかということを、 国立大学協会、各大学が本気で解明をして、国民にアピールすべきではないか。

→ 国立大学協会においては、本質的な問題点をいろいろと議論しており、まとまった見識を示すべきであると考えている。 そのためにも、今回作成した資料をより充実させ、活用していきたい。

○ 経営協議会に長らく出席しているが、資料の数字が具体的、かつ、 詳細になってきたと感じている。ただし、数字は非常に客観的な事実でしかなく、 その読み方には表と裏の両方がある。大事なことは、大学全体の問題点を整理した上で、 「次に何をすべきか」ということにつながる説明を部局に対して行うことである。 我々からすると、部局の動きというものが見えてこない。この辺りに、神戸大学の経営課題があるのでないか。 病院の経営が当初大変であったのが、具体的な策が段々と数字につながり、改善されつつあるのは、 国立大学法人化の大きな成果である。経営的に数字が成り立たないと、だれも評価してくれないが、 この競争の中で、神戸大学なりに、いろいろな問題はあるけれども、大学全体の意識を変えていかないといけないのではないか。

→ 引き続き、努力したい。

3. 第二期中期目標・中期計画 (素案) について

第二期中期目標・中期計画 (素案) について説明を行い、審議の結果、 本日の意見も反映させることで、原案を承認した。なお、文言修正については学長一任とすることを併せて承認した。

○ 第一期と比較すると、非常に抽象度が高くなり、項目も減って、改善されたと見るべきなのか、よく分からない。 私自身は、手間が省けて、これでよいのではないかと思うが、同時に6年間で何をやるのかが、この資料からは見えてこない。 学内構成員も同様だと思うが、経営協議会の場では、我々がやりたいことはこういうことなんだと、ここまで来てるので、 もう少しこういうことをするんだということが分かるようにすべきではないか。

○ 言葉の問題であるが、3ページの一番上のところに、「アドミッション・ポリシーに基づいた人材の受入れに努める」とあるが、 ここは「人材」ではなく、「学生」ではないか。また、なるべく「人材」という言葉は使わない方が、大学としてはよいのではないか。

→ この資料から具体の案が見えないことに関しては、現時点で文部科学省から求められている大枠を示したもので、 内部においては、年度計画を作成するための説明などを記載したものを作成中である。また、「人材」という言葉に関しては、再度検討したい。

○ ディプロマ・ポリシーに対応したアドミッション・ポリシーということは、今までの大学の教育体系について、 根本的に再検討するということになるが、そこまで考えているのか。

→ これは、中央教育審議会答申「我が国の高等教育の将来像」の中で、アドミッション・ポリシー、カリキュラム ・ポリシー、ディプロマ・ポリシーのつながりをきちんとすることが求められていることから、中期計画に掲げたもので、 これから議論をして明示していく予定であるが、現状と大きく変わらないものになると思っている。

○ 言葉に余りこだわらないで、入学者の選抜システムをどうするのか、カリキュラムをどうするのか、 それから卒業認定・学位授与をどうするのかを十分に議論すべきである。

○ 教育憲章には,「人間性の教育」,「創造性の教育」というより深く、広い目標が掲げられているにもかかわらず、 計画レベルにあるディプロマ・ポリシーの設定といったことになると、かなり具体的になり、 逆にいえば学生たちはそこで示されている項目だけやればよいという感じになってしまわないか。 これでは、人間性や創造性が抜け落ちてしまうのではないか。前文に記載しているにもかかわらず、 それらに関する施策や目標がない状態になっている。また、中期計画を策定する際には、 大学教育のあるべき姿を根本に戻って話し合うことが必要ではないか。社会のニーズに振り回されないで、 教育を行うということは何なのかを考え、それが実現できれば、非常によい大学になるのではないか。

→ 指摘された点については、大学としても重視しており、それらを意識して作成したにもかかわらず、 うまく表現できていないところは修正したい。

4. 平成22年度事業計画 (概算要求) について

組織の廃止転換・再編成等、特別教育研究経費及び施設整備について説明を行い、審議の結果、 概算要求の要求順位について学長一任とすることで原案を承認した。

5. 国立大学法人神戸大学特命職員就業規則等の一部改正について

理事の構成及び担当業務が変更されたこと等に伴い、特命職員就業規則等を一部改正したことについて説明を行い、 審議の結果、追認した。

6. 平成21年度教育研究活性化支援経費の基本的な配分方針について

基本的な配分方針について、暫定配分との対比 (案) 及び収支イメージに基づき説明を行い、 審議の結果、原案のとおり承認した。

7. 平成21年度補正予算について

補正予算のフレーム、補正予算における対象事業及び文教施設整備費補助金実施事業について報告があった。