日時
平成23年11月28日 (月)  13:00~15:18
場所
神戸大学本部 大会議室
出席者
福田議長 (学長)、武田委員、田中委員、竹園委員、横野委員、中村委員、石田委員、正司委員、下林委員、大橋委員、佐藤委員、高﨑委員、永野委員、平野委員、水越委員、矢田委員
(オブザーバー) 石村監事、鈴木監事、安藤学長補佐
欠席者
天野委員、井戸委員、小林委員
議事要録について
第38回及び第39回経営協議会の議事要録について、特段の意見はなく、役員会として確認の上、神戸大学のホームページに公表する旨説明があった。

審議事項

[委員からの主な意見等 (○: 意見・質問、→: 回答)]

1. 国立大学法人神戸大学の中期目標を達成するための計画 (中期計画) の変更について

平成24年度概算要求の内示があるものとして、医学部医学科の入学定員増等に伴い、中期計画を変更することについて説明を行い、審議の結果、原案のとおり承認した。

報告事項

[委員からの主な意見等 (○: 意見・質問、→: 回答)]

1. 平成23年度補正予算 (第3号) 及び平成24年度概算要求の概要について

平成23年度補正予算 (第3号) による予算措置状況、平成24年度国立大学法人運営費交付金概算要求の概要及び平成24年度国立大学法人等施設整備概算要求・要望事業の概要について報告があった。

○ 行政刷新会議ワーキンググループ「提言型政策仕分け」が行われていたが、平成24年度の国立大学法人の施設整備事業に影響があるのか。

→今回の政策仕分けの中で施設整備事業単独での議論はされていないが、大学の個性化あるいは国際化といったキーワードで、高等教育・国立大学全体の機能強化が求められている。また、来年度の概算要求では「日本再生重点化措置」枠の7,000億円に対して、各省庁から3倍の約2兆円の要望が出されており、復旧・復興に対して重点的に予算措置される状況となると新規の施設整備に財源がほとんど充てられないことになるため、平成24年度の国立大学法人施設整備事業については重点化措置枠288億円の取り扱いが焦点となる。

2. 平成22事業年度全国立大学財務諸表について

平成22事業年度に係る全国立大学財務諸表の分析結果について報告があった。

○ 神戸大学の状況を他大学と比較すると、マネジメントはしっかり出来ており、経費削減は進んでいる。一方で、改善事項として「裁量的資金のさらなる獲得」とあるが、何が問題となっているのか。

→間接経費、奨学寄附金及び資金の運用益を「裁量的資金」としているが、この中でも間接経費の獲得が課題となっている。そのためには科学研究費補助金等の更なる獲得が必要となるが、金額の大きい補助金等のほとんどが自然科学系の分野であり、本学は旧帝大と比較して自然科学系教員の比率が低く、このことが一因にもなっている。

○ 奨学寄附金の内訳はどのような構成となっているのか。

→平成22年度の寄附金17億8千万円のうち、教育研究に対する奨学寄附金が12億8千万円ほどで大半を占めており、神戸大学基金に対する寄附金は4億2千万円、その他が8千万円弱である。

○ 外部資金獲得の効果的な方策として、他大学が着手していない分野に取り組むことが考えられる。東日本大震災以降、原子力分野の人材育成が重要な課題とされており、また、教育現場において、原子力・放射線の安全に関して教育を受けた先生がほとんどいないことが問題となっている。神戸大学でこのような分野を強化することを検討してはどうか。

○ 総合大学としての特性を活かして、自然科学系だけではなく社会科学系との融合プロジェクトを企業等に提案し、資金を獲得することを考えてはどうか。

→企業等が本学に期待している総合大学としての特色を活かした部局横断型の対応を進めることについて、今後、検討する必要があると考えている。

3. 平成23年度医学部附属病院上半期決算について

平成23年度医学部附属病院上半期決算について報告があった。○ 病院の経営努力による利益は病院あるいは大学に対して再投資できないのか。また、病院が収益を上げるために行っている工夫や成果を外部に発信するべきではないか。

→人材投資を先行して行い、医療の質を上げたことにより収益が伸びたが、キャッシュフローには改善の余地がある。再投資は可能であるが、先にキャッシュフローの改善を図っていきたい。また、情報発信の重要性は認識しており、大学病院の経営努力が社会に正しく伝わるように注意する必要があると考えている。

○ 病院の経営努力はめざましいと思うが、一方で教育・研究面での影響は無いか。

→法人化以降、病院の収支改善が重要課題であったため、研究面に関しては少し影響があった。今後は、高度先進医療への取組や地域医療を担う人材育成などに力を入れていきたいと考えている。

4. 国立大学法人神戸大学の平成22年度に係る業務の実績に関する評価結果について

本学の「平成22年度に係る業務の実績に関する評価結果」、「国立大学法人・大学共同利用機関法人の平成22年度の業務実績に関する評価結果のポイント」及び「同改革推進状況」について報告があった。

○ 今回の評価結果は運営費交付金の法人運営活性化支援分と関連があるのか。

→法人運営活性化支援分は単年度だけで評価されるのではなく、中期計画期間 (6年間) で評価される仕組みとなっている。期間を通じた積み重ねの結果として、本学の評価ポイントを打ち出せるかが重要と考えている。

5. 国立大学法人神戸大学と国立大学法人東北大学との災害科学分野における連携協力に関する協定について

平成23年3月開催の第36回経営協議会において、東日本大震災を受けて防災、減災への取組の推進が求められ、そのご意見を踏まえて神戸大学がまとめた提言に基づき実施した公開シンポジウムを契機に、本学が東北大学と連携することになったこと、具体的には、災害科学分野における学術研究、人材養成及び社会貢献を推進し、東日本大震災の被災地域の再生や、人類共通の課題である災害復興問題に貢献するための連携協力に関する協定を締結したことについて報告があった。

○ 今回の震災は被災地域が広域であることから、例えば、この協定が3県を対象にしたものに広がっていくとこれからの対応に役立つのではないか。また、被災地域の復興計画の作成に当たり、まちづくりなどの支援も大学に期待したい。

→広域での活動には、大学同士だけでなく自治体も含めた協力体制が必要と認識しており、その点については今後もご意見をいただければと考えている。また、被災地域の復興・まちづくりへの人材支援は本協定に含まれているものである。

6. 神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウム「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」について

9月19日から20日にかけて開催された神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウムの内容について報告があった。

○情報発信の方法に工夫が必要ではないか。

→検討したい。

7. その他

1) 本学職員と民間 (私立大学) 等との給与水準の比較について

本学職員と民間 (私立大学) 等との給与水準について比較した資料の説明があった。

○ 正確な数字を社会に公表した上で、議論を進める必要がある。また、民間企業や私立大学との比較においては、定年年齢や兼業等についても考慮すべきではないか。

◎ 次回は、平成24年1月27日に開催予定。