古代から現代まで、「同時代性」という観点から、時代ごとに西洋美術と日本美術を比較。それによって、時に不思議なほどの類似点をもち、時に対照的な展開を見せる、また、時に影響し合い、時に遠く隔たる両者の歴史の在り様、そのダイナミズムを、著者独自の切り口によるテーマにそって明らかにしていきます。それによって、各々の美術の歴史を個別に見ていただけではわからない、人の営為としての美術の面白さ、奥深さや豊かさが見えてきます。美術についてのグローバルな理解を追究する意欲作。(出版社による紹介文)
小学館『日本美術全集』全20巻の月報で、2012年から16年まで連載していた「その時、西洋では」を大幅に加筆修正したもので、いくつかの章をくわえて一貫性を持たせました。私なりの東西比較美術史の試みです。
人文学研究科 教授 宮下規久朗