そのとき、西洋では

そのとき、西洋では

時代で比べる日本美術と西洋美術

古代から現代まで、時代ごとに西洋美術と日本美術を比較。時に不思議なほどの類似点を、時に対照的な展開を見せ、人の営為としての美術の面白さや奥深さやなどを伝える。

  • 著者
  • 宮下規久朗
  • 出版年月
  • 2019年02月
  • ISBN
  • 9784096822746

古代から現代まで、「同時代性」という観点から、時代ごとに西洋美術と日本美術を比較。それによって、時に不思議なほどの類似点をもち、時に対照的な展開を見せる、また、時に影響し合い、時に遠く隔たる両者の歴史の在り様、そのダイナミズムを、著者独自の切り口によるテーマにそって明らかにしていきます。それによって、各々の美術の歴史を個別に見ていただけではわからない、人の営為としての美術の面白さ、奥深さや豊かさが見えてきます。美術についてのグローバルな理解を追究する意欲作。(出版社による紹介文)

小学館『日本美術全集』全20巻の月報で、2012年から16年まで連載していた「その時、西洋では」を大幅に加筆修正したもので、いくつかの章をくわえて一貫性を持たせました。私なりの東西比較美術史の試みです。

人文学研究科 教授 宮下規久朗


目次

  • 第1章 先史から古代――オリジナルの誕生
    • 1.人類最古の美術
    • 2.奇跡の宗教建築
    • 3.偉大なる辺境
    • 4.オリジナルの誕生
    • 考察 ギリシャの古典期と弥生時代
  • 第2章 中世――相違するものと類似するもの
    • 1.中世絵画の黄金時代
    • 2.彫刻の終焉と始まり
    • 3.戦乱と災害がもたらしたもの
    • 4.幻想と憧憬のルネサンス
    • 考察1 蓄積された信仰の時間
    • 考察2 展示と秘匿
  • 第3章 近世――並行する二つの歴史
    • 1.東西美術の接触
    • 2.並行する二つの歴史
    • 3.プリミティヴィスムと復古主義
    • 4.二都物語――京都とヴェネツィア
    • 5.中心と周縁
    • 考察 日本のテネブリズム
  • 第4章 近代から現代――共振する美術
    • 1.版画の時代
    • 2.写実の衝撃
    • 3.前衛と反動の季節
    • 4.戦争画の運命
    • 考察 日本の印象派
  • 結 西洋美術と日本美術