経営者保証改革は、単なる契約条件の見直しではなく、地域金融のあり方そのものを問い直す課題です。本書が注目するのは、金融機関が企業をどこまで深く理解し、経営課題を共有したうえで、金融・非金融の支援を適切に組み合わせられるかという、事業性評価の実践です。
本書では、中小企業経営者の声、金融機関データを用いた実証分析、伴走支援の現場知、さらに金融行政・金融機関・支援機関による対話を一冊にまとめました。制度、企業の認識、現場実務を結びつけて検討することで、事業性評価の深化が、経営者保証に依存しない融資慣行へどのようにつながるのかを明らかにします。
地域企業と金融機関の双方の持続可能性を見据え、地域金融力の向上を構想するための一助となれば幸いです。
経済経営研究所 教授 家森信善