19世紀フランスで「男装の麗人」「恋多き女」として知られた作家、ジョルジュ・サンド。彼女と19世紀を代表する音楽家4人の交流やそこから生まれた作品から、音楽と文学の力を考察する。
パリの19世紀はヨーロッパの天才芸術家たちが、音楽、文学、絵画などジャンルを問わず集まり、個人生活においても芸術活動においても親しく交わり影響を与え合った稀有な時代でした。本書は女性作家ジョルジュ・サンドと19世紀を代表する4人の音楽家の出会いと交流やそこから生まれた作品について述べています。また、サンドの書いたものをとおして彼らの人物像や作品を浮かびあがらせ、彼女が作品中で表明した「音楽こそが最高の芸術である」という思想を再検討しています。
国際文化学研究科・教授 坂本千代