日本語と漢字音・漢語音

日本語と漢字音・漢語音

データベースが切り開く新しい世界

日本漢字音史研究は、近年のデータベース構築により、新たな段階に入った。データベースの狙いや意義、また、それを利用した新時代の研究を例示する一冊。

  • 著者
  • 加藤大鶴・石山裕慈・佐々木勇 編
  • 出版年月
  • 2026年06月
  • ISBN
  • 9784585325666

漢字・漢語は、日本語を使う私たちの言語生活に欠かせないものだ。
しかし、その漢字や漢語が日本語話者によってどのように読まれてきたのか、ということを実証的に明らかにしていくことは必ずしも容易ではない。1000年以上にわたる付き合いの中で、どのように漢字・漢語が発音され、定着ないし消滅していったのか――そのことを限られた資料や痕跡から明らかにしていくことが漢字音・漢語音研究の目標である。
漢字音・漢語音研究の方法論や視角、他の学問領域との交差の在り方を紹介する第1部、そして近年開発・構築の進められている「資料横断的な漢字音・漢語音のデータベース(DHSJR)」の狙いや意義、また、それを利用した新たな研究の展開を提示する第2部・第3部より構成。新たな漢字音・漢語音研究の魅力と面白さを伝える貴重な一冊。


目次

  • はじめに―データベースの構築と漢字音研究の展開 加藤大鶴
  • 第1部 漢字音研究を知る
    • 漢字音研究の現在 石山裕慈
    • 呉音・漢音の歴史と資料 佐々木勇
    • 漢音奨励と訓読 湯沢質幸
    • 中近世の同時代字音たる唐宋音について 岡島昭浩
    • 漢字音と国語音の交渉 肥爪周二
  • 第2部 人文情報学と漢字音研究
    • 「漢字音の一元化」について 大島英之
    • 日本仏教研究者が漢字音研究から受けた恩恵 師茂樹
    • DHSJRの設計と概略 加藤大鶴
    • DHSJRにおける漢字字体の正規化の試み 大島英之
    • 漢字音・漢語音データベースと『大般若経字抄』 中澤信幸
    • 「資料横断的な漢字音・漢語音データベース」の語彙資源化の試み 高田智和
    • 古辞書・音義・音釈類の漢字音注記の源流を探る―研究の軌跡とデジタル世界の夢 池田証寿
  • 第3部 漢字音研究の最先端
    • 改編本『類聚名義抄』の音注増補と切韻 鈴木裕也
    • 石山寺本守護国界主陀羅尼経長保頃点の漢字音 肥爪周二
    • 明治大正期の外国語対訳辞書における漢字音・漢語音をめぐって 石山裕慈
    • 妙一記念館本『仮名書き法華経』の声点加点―同時期の字音直読資料との比較から知られること 佐々木勇
    • 呉音読されるスタイルでの漢音去声の上声化 坂水貴司
    • 資料横断的な漢字音・漢語音データベース(DHSJR)における連声濁 浅田健太朗
    • 漢語アクセントにおける低起上昇類内の揺れ 加藤大鶴