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神戸大学の環境パフォーマンス

環境マネジメント

環境マネジメントに関する方針

神戸大学は、平成22年度に第2期中期計画期間における環境マネジメント方針「環境マネジメントを推進するための基本方針」 ( 平成23年2月17日環境・施設マネジメント委員会承認 ) を策定し、積極的な取り組みを開始しました。

  • 環境マネジメントを推進するための基本方針
    環境マネジメントを推進するための基本方針

環境マネジメントの取り組み

神戸大学では、環境マネジメントに関するさまざまな取り組みを行っています。今回の環境報告書では、その中のいくつかをご紹介します。

見える化装置と運用改善のモデルケースづくり

六甲台第2キャンパスの自然科学系図書館に見える化装置を設置し、運用改善のモデルケースづくりを行いました。

主な運用改善の取り組みは、開館前清掃作業時に点灯していた照明を必要箇所から順次点灯するようにしたことです。

  • 照明スイッチの点灯方法
    図1 照明スイッチの点灯方法

この見える化装置により、平日の電力使用量が約125 kWh 削減されることが分かりました。この結果、月間の電気使用量は22年度比で約10%の削減となりました。

  • 運用改善の結果
    図2 運用改善の結果

今回の結果を全学的に公表していくとともに、同様の効果が得られる施設へ積極的に展開していきます。

LED、CCFL 照明のテスト設置

近年、省エネ効果の高い発光ダイオードを利用した LED ( Light Emission Diode ) 照明が話題となっています。同様に省エネ効果の高い液晶テレビ等のバックライトに使われている冷陰極管を利用した CCFL ( Cold Cathode Fluorescent Lamp)照明も注目を浴びています。本学では、一部採用をしながら、その効果を検証し、全学的導入の検討を進めています。

LED 照明は、直下は明るいが、光の広がりが少ないと言われており、事務室等の広い空間で、既存照明器具の照明管を交換するだけで、どれだけ効果が出るのかテスト設置を行いました。

事務室 ( 本部棟5階施設部 ) の照明器具40W 2灯用6台を LED 照明管に交換し、少し離れた場所で40W 灯用8台を CCFL 照明管に交換し、効果を検証しました。

  • LED 照明、CCFL 照明取替場所
    図3 LED照明、CCFL 照明取替場所

表1 取替前後の消費電力および照度の比較

取替前 取替後 備考
40W2灯用
電流値1台当たり
0.78 A
取り替え場所平均照度
755 LX
LED照明 ( 40W 2灯用×6台取替 )
電流値1台当たり
0.41 A ( 約47.4%減 )
取替場所平均照度
708 LX ( 約6.2%減 )
照明器具
直下は
明るい。
40W2灯用
電流値1台当たり
0.78 A
取り替え場所平均照度
838 LX
CCFL 照明 ( 40W2灯用×8台取替 )
電流値1台当たり
0.54 A ( 約30.8%減 )
取替場所平均照度    
945 LX ( 約12.8%増 )
 

LED 照明と CCFL照明を比較すると、省エネ効果としては、LED 照明の方が高かったのですが、取り替え場所の平均照度は CCFL照明の方が高くなりました。また、LED 照明の平均照度は取り替え前より下がりました。

既存照明器具の配置を利用した事務室内のLED 照明や CCFL照明への取り替えは、照度や照明器具・座席の配置を総合的に考慮し、適正な職務環境を確保するよう検討する必要があります。また、どちらの照明も性能・コストともに研究開発が活発に進んでいるため、今後の動向も含め、本学が採用する照明設備のあり方を検討していきます。

保守業務一元化によるリデュースの促進

医学研究科において、平成22年度より保守業務の一元化を開始しました。スポット契約を行っている20業務を統合し、一元化することによって設備機器類の状況を総合的に把握・分析し、部分メンテナンスや機器更新の計画に役立て、設備機器類のリデュースを促進します。

今後は、現在複数年契約中の業務が終了する時期を見越して、順次拡大し、統合可能な他のキャンパスの保守業務も含めていく予定です。また、これらの一元化により削減された財源を機器更新費に充てるなど、検討をしていきたいと考えています。

  • 保守業務一元化によるリデュースの概要
    図4 保守業務一元化によるリデュース促進の概要

環境キャラバン ( 環境に係る現状視察 )

本学における「環境憲章」の基本方針の一つである「率先垂範としての環境保全活動の推進」を実現するため、 ( 1 ) 環境保全活動の推進 ( 2 ) 省エネルギーや資源の有効活用の取り組み等、今後の計画策定や改善に必要な情報の収集と団地ごとに抱える課題の把握と整理を行うことを目的として、環境キャラバンを平成21年度より実施しています。

環境マネジメント部会委員、環境マネジメント検討WGメンバーを中心に、主要10団地 ( 六甲台地区、楠地区、名谷地区、深江地区、住吉1 ( 住吉校 ) 、明石 ( 明石校 ) 、大久保 ( 特別支援学校 ) ) を対象に、抜き打ちで視察を行いました。

ランダムに選んだ部屋に対し、不使用室・退室時の消灯および空調の停止、空調温度の設定、空調機フィルターの清掃、省エネポスターやごみ分別ポスターの掲示、スイッチ類への省エネシール貼付の状況をチェックし、団地ごとに抱える課題や環境への取り組みについて意見交換やアドバイスを行いました。

  • チェックを行い意見交換するメンバー 
    チェックを行い意見交換
  • エアコンフィルターをチェックするメンバー
    エアコンフィルターを
    チェック

この環境キャラバンの結果は、環境・施設マネジメント委員会に報告するとともに、委員会を通して全学に公表しました。

照明の消し忘れ、極端に低い空調温度設定、空調機フィルターの未清掃などの悪い点だけでなく、窓際消灯、網戸の利用、古紙回収ボックスの設置、ペットボトルキャップの分別・リサイクルなどの良い点もたくさんありました。チェック項目にない独自の取り組みとして、職員立ち会いでごみ分別を確認している部局や独自に組織を作って省エネ活動をしている部局等もありました。これら独自の取り組みによる評価方法、チェック項目、視察場所の選び方についても検討・改善しながら、環境キャラバンを継続していきます。

また、環境キャラバンは全学的な環境マネジメントサイクル ( PDCA ) の CHECK に当たります。この結果を環境報告書を通じて、本学の学生および教職員に広く知っていただくことで、部局ごとの ACTION へつなげていく予定です。

携帯ポイントシステム

大学構成員の大半である学生が、環境活動に参加する仕組みとして、携帯ポイントシステムを活用した運用改善を検討しています。この携帯ポイントシステムは、学内で実施した環境・省エネ活動を、携帯電話より登録し、活動内容に応じて環境ポイントを付与するものです。また、活動のインセンティブとして、ポイントをランキング付けした上で優秀者には表彰等を行います。これにより、環境に対する意識を向上させ、自主的な活動を促すことができると考えています。

平成23年度は試験運用を実施します。その結果により、学生の意識がどの程度あり、今後の運用改善活動に参加してもらえるか、教職員には見えない範囲の照明・空調の切り忘れがどれくらいあり、エネルギー消費量がどれだけ減るかが見えてくると思われます。

これらの結果を今後の環境保全活動へ生かしていきます。

  • 図1 携帯ポイントシステムの概要図5 携帯ポイントシステムの概要
  • 図2 学内に掲示したチラシ
    図6 学内に掲示したチラシ

本学では、ここでご紹介した取り組み以外にも、節電対策として、照明の間引き・昼休み消灯・エレベータの一部停止・自動販売機の一部停止など、できることから取り組みを行っています。その他にもリユースの促進やごみ分別方法の全学統一についても検討しています。

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