環境保全推進センターの活動

環境保全推進センターの活動

第8回環境保全推進センター全学報告会

平成25年度以前から環境管理センター(現在の環境保全推進センター)で講演会等を実施していましたが、組織の改組に伴い、平成26年度からは本学の構成員に対する環境教育に関することや、環境保全に関する調査および研究に関することなど、環境保全活動の推進に一層取り組む体制となり、毎年全学報告会を行っています。

環境保全推進センターが発足して5年となる本年、さらなる全学的な環境保全活動の推進定着が必須となっています。

環境保全推進センターの使命を環境保全推進員などセンター関係者全員に理解いただくのと同時に、全学構成メンバー全員に環境活動の推進・展開にむけた活動方針、活動概要について紹介しました。

日時
平成30年11月8日(木)16:00~17:00
場所
神戸大学出光佐三記念六甲台講堂
対象
環境保全推進員、本学教職員や学生を含む参加希望者
内容
担当理事挨拶  環境担当理事  加藤 健
第3期中期活動にむけて  センター長  教授  竹野 裕正
平成30年度の活動概要  副センター長  准教授  牧 秀志
センター専門委員会の平成30年度の活動概要
 ・環境企画・評価専門委員会 環境企画コーディネーター  末次 憲一郎
 ・エネルギー専門委員会 環境企画コーディネーター  末次 憲一郎
 ・環境管理・教育専門委員会 環境管理部門長  准教授  井原 一高
特別講演『サーキュラーエコノミー時代の製品ライフサイクル設計』
東京大学大学院工学系研究科  教授  梅田 靖
環境報告書表紙写真採用表彰  センター長  教授  竹野 裕正

環境に関する講演会

環境保全推進センターでは、平成16年度の環境管理センター発足以来、毎年、学外から講師を招いて、学生や教職員のみならず学外の一般の方も対象とした環境に関する講演会を実施し、環境問題に関する啓発活動を行っています。

平成30年度も東京大学大学院工学系研究科の梅田靖教授(右写真)をお招きし、11月8日(木)に神戸大学出光佐三記念六甲台講堂で「サーキュラーエコノミー時代の製品ライフサイクル設計」と題して、ご講演をいただきました。

本講演では、サーキュラーエコノミーとは従来の大量生産・大量廃棄型の線形経済システムを循環型の経済システムに変えて行こうというものであること、ライフサイクル設計は製品のライフサイクルをつくることが目的であり、従来の設計との違いは、時間の管理、モノの流れの設計監理、ライフサイクルオプションのベストミックスによる最適循環を目的としている点にあることなどのお話を頂きました。梅田先生は具体的な事例を交えながらわかりやすく講演され、会場に集まった皆さんは最後まで熱心に聴講されました。

環境に関する講義 ~環境学入門~

地球環境問題は、今や今世紀最大の世界的な課題の一つとなっています。環境問題の多くは、私たち一人一人の普段の社会経済活動に起因し、その解決には個人が環境問題に対する知識や理解を深めてゆくことが不可欠です。そこで環境保全推進センターでは、主に全学の1、2年次の学生を対象に、総合教養科目として環境学入門A・Bを開講しています。

環境学入門Aは主に自然科学の立場から、また環境学入門Bは主に人文・社会科学の立場から、幅広く環境に関する基礎知識とアプローチ方法を講義しています。講義は環境問題に関連する数々のテーマの中から、毎回そのテーマを専門とする教員によるオムニバス形式で行っており、平成30年度はA・Bあわせて延べ300人程度の学生が受講しました。

環境に関する講義 ~実験廃液・排水に関する環境教育~

環境管理ガイドブック

研究活動に伴う廃液・排水の処理に関しては、研究者各自が適切に処理を行うことが求められます。そのため環境保全推進センターでは、自然科学系学部教職員・学生を中心に、実験廃液・排水に関する環境教育を行っています。

平成30年度も、理学部、農学部、工学部、海事科学部、医学部、大学教育推進機構において、授業や実験実習の一環として廃液・排水処理、廃棄物(ごみ)処理に関しての環境教育を実施しました。神戸市および神戸大学での排水処理の仕組み、実験廃液の廃棄方法、実験器具の洗浄方法について、環境保全推進センターで作成した「環境管理ガイドブック」などを利用し、分かりやすい環境教育を行っています。

環境管理ガイドブックの内容は、環境保全推進センターのホームページ(http://www.research.kobe-u.ac.jp/cema/)にて閲覧、ダウンロードできます。

大学等環境安全協議会のプロジェクト研究

環境保全推進センターでは、環境保全に関する研究活動も行っています。当センターでは平成29年度から2年間の予定で、井原一高准教授を研究代表者として、大学等環境安全協議会(大環協)から「大学実験排水からの汚泥エミッション削減に関する研究」と題したプロジェクト研究の採択を頂いています。大環協は、大学等(大学、高等専門学校、大学共同利用機関及び文部科学省所轄機関)の環境・安全マネジメント、安全衛生管理及び環境安全教育に関する運営と教育を充実させることを目的とするものです。参加者は研究者のみならず技術職員や事務員など広範な大学関係者および産業界関係者です。

神戸大学をはじめとする全国の大学等における実験系排水に含まれる重金属は下水道排除基準に合致していますが、より一層のエミッション削減が求められています。そこで実験排水系統から排出される重金属排出量低減技術として、永久磁石による汚泥磁気分離法を検討しています。フェライト法とは異なり、加熱操作を必要としない汚泥濃縮分離技術を開発することが目的であり、前年度に確立した「汚泥への磁性付与法とその評価法」を元に、平成30年度は「対象元素の拡大と除去率の改善」を行い、四三酸化鉄の添加が、実験排水汚泥への磁気シーディング法として有効であることが明らかになりました。