環境に関する研究
環境保全への取り組みについて
海事科学研究科 内燃機関工学研究室
教授 橋本 正孝
准教授 段 智久
教授 橋本 正孝
准教授 段 智久
私共の研究室においての環境保全対策として、以下の2つの研究を紹介させて頂く。
1)バイオ燃料の研究
一般にバイオディーゼル燃料と言われているものは、バイオ成分が数%以下の燃料であり、 主にエタノールが使用されている。すなわち、植物油からエタノールのみを抽出して、それを軽油に混合して使用するという方法をとっている。この方法は手間が掛かりすぎると共に多くのエネルギーを消費しており、余り有効な環境保全方法とは言えない。
そこで、植物油そのものをディーゼル機関の燃料として使用するためにはどのようにすれば良いか、どの様な弊害が生ずるか、既存の燃料との混合油として使用する場合、どの程度まで混合が可能か、その特性はどうなるか、どの様な植物油が使用に適しているか等の研究を継続して行っており、それらの成果を種々の学会で発表している。
最近、ジャトローワ(ナンヨウアブラギリの種子から得られる油で、この実は毒性があり食用には向かない)という植物油が手に入り、検証を行ったところ、軽油に近い特性を示しており、バイオ燃料として最も有力な油であると位置づけ、今後研究を続ける予定である。
2)船外機フィルターの研究
一般には知られていないが、沿岸部の海洋汚染の一因として、船外機による海水汚濁の問題がある。潤滑油のミストが排気と共に冷却排水に混ざって海水中に捨てられるために生ずる。このミストを回収するための方法についての研究を昨年より開始した。