- 藤澤 正人 学長
- 2005年4月
- 神戸大学大学院医学系研究科教授
- 2014年2月
- 神戸大学医学部附属病院長
- 2018年2月
- 神戸大学学長補佐
- 2019年4月
- 神戸大学大学院医学研究科長、医学部長
- 2021年4月
- 神戸大学長
神戸大学は、国際港湾都市・神戸において「学理と実際の調和」という理念を掲げ、「知」の創造と社会に貢献できる「人材」の養成に取り組み、各界で活躍する多くの卒業生を輩出して参りました。
今日、世界に目を向ければ、昨年来の、新型コロナウイルス感染のような地球規模の問題が、数多く起こっています。地震、局地的豪雨などの災害、地球温暖化に関わる気候問題、脱炭素社会を目指した環境・エネルギー問題、発展途上国における貧困、飢餓、食料問題、人種やジェンダーなどの人権問題、核兵器に関わる平和問題、混沌とする国際政治問題、超高齢社会における健康、福祉問題など、我々が取り組むべき課題は、枚挙にいとまがなく、これらはすべて、世界全体が協調し、取り組んでいくべき国際的課題であります。神戸大学としても、これらの世界的規模の課題解決に向けた先端的国際共同研究・教育に積極的に取り組んで参りたいと思っています。
また、国内では2020年10月26日、第203回臨時国会の所信表明演説で、菅義偉内閣総理大臣は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。さらに、米国が主催する気候サミットで2021年4月22日、日本の2030年度の温室効果ガス削減目標を「2013年度から46%削減し、さらに50%の高みに向け挑戦を続けていく」と宣言し、「世界のものづくりを支える国として、次なる成長戦略にふさわしいトップレベルの野心的な目標を掲げることで、日本が世界の脱炭素化のリーダーシップをとっていきたい」と述べています。
2050年カーボン・ニュートラル実現には、技術イノベーションのみならず経済社会イノベーションが不可欠であり、そのためには人文社会科学から自然科学までの幅広い知見が必要です。教育研究・社会貢献活動を通じて、国・地域の政策やイノベーションの基盤となる科学的知見を創出し、その知を普及する使命を持つ大学の役割に大きく期待されています。また、各地域の「知の拠点」として、地域の脱炭素化を促し、その地域モデルを世界に展開する役割も重要となっています。
これを踏まえ、大学が国、自治体、企業、国内外の大学等との連携強化を通じて、その機能や発信力を高める場として、「カーボン・ニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」(大学等コアリション)に神戸大学も参加します。
神戸大学は教職員学生一丸となってこれらの課題に取り組み、異分野共創と協働をスローガンとして力強く創造的変革に挑戦し、輝く未来社会で躍動する知の世界拠点としての神戸大学のブランディングに心血を注ぎ、新型コロナウイルス感染終息と共に変化してくる社会において地域の核となり、経済、文化、生命、環境、人間活動を活性化し、地方創生に貢献しながら、日本、世界にも情報発信し、グローバルに社会貢献できるよう全力を尽くしていく所存です。
引き続き、みなさまのご支援、ご協力をよろしくお願い致します。