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環境に関する教育・研究と地域連携

環境に関する地域貢献

自治体、大学、民間の協働によるグラスパーキング(芝生化
駐車場)推進事業の紹介

工学研究科 助教 竹林英樹

工学研究科建築学専攻森山研究室では、ヒートアイランド現象緩和や景観性向上等の効果が期待されるグラスパーキング(芝生化駐車場)について、今後の技術改善や普及促進に資するため、平成17,18年度に兵庫県、他大学、民間企業、NPOと協働して実証実験を行い、各種工法の仕様と効果の総合的な評価・検証を行いました(http://web.pref.hyogo.jp/wd03/gp.html).実施場所は、兵庫県福祉センター(神戸市中央区坂口通)の平面駐車場で、以前は一般的なアスファルト駐車場であった場所に、公募により決定した32組の参加企業等が施工と維持管理を実施し、当研究室は調査測定及び評価・検証を担当しました。写真は対象とした駐車区画の全景及び、赤外線放射カメラにより撮影した夏期晴天日の表面温度分布を示しています。図中奥のアスファルト面と比較して、芝生化された駐車区画の表面温度が低温になっている様子が分かります。グラスパーキングでは、施肥、散水、除草などの芝生の管理だけではなく、駐車場としての機能を保持するための、自動車の荷重に対する対応、エンジン熱に対する対応、など各社様々な工夫が行われています。今回の実証実験では、ヒートアイランド現象緩和や景観性向上等に関してある程度の成果を得ることが出来ましたが、維持管理に関する課題(維持管理にかける費用と得られる性能の関係など)については、更に継続的な調査が必要です。平成19年度からは場所を兵庫県庁南の駐車場(神戸市中央区下山手通)に移し、特に維持管理に関する課題に注目した実証実験を行っています(http://www.hyogo-gp.net/grassp.html)。今回紹介しました調査事例は、特定の企業との共同研究というスタイルではありませんが、企業が提案した技術(ここでは駐車区画)の相対的な比較を行うことで、各企業の技術の改善が図られ、より良い製品の開発と普及に繋がっていると考えられます。

グラスパーキングの全景と赤外線放射カメラによる表面温度測定結果
グラスパーキングの全景と赤外線放射カメラによる表面温度測定結果
(2006年7月29日、神戸市中央区の兵庫県福祉センター駐車場
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