人的資源管理システムは世界の企業によって違っています。日本は独特な特徴を持っており、その特徴こそが人的資源管理の問題点であるのですが、欧米人が入手可能な、日本の人的資源に関する著書はそう多くはありません。本書は、世界を舞台に復興を続ける日本の産業社会における、人的資源管理の主要な問題を取り扱っています。前半部分では国際的な視点から日本の人的資源管理を論じており、日本の人的資源管理システムの構造を総合的に分析し、これらを最新の国際的なシステムと比べています。後半部分では日本における人的資源管理について、国内の視点から論じます。これによって、日本の人的資源管理の慣習に関する著書が少ないという事実を補うことができるのではないでしょうか。
なお、本書は経済経営研究所にて2008年3月に行われたワークショップの論文集です。本書編集に貢献していただいた研究者の方々に感謝いたします。
経済経営研究所准教授・ベーベンロート・ラルフ、大学院経営学研究科長/経営学部長・金井壽宏