環境に関する教育研究とトピックス

環境に関する教育

海洋プラスチックごみの神戸市内河川域調査(ESD演習Ⅰ・Ⅱ)

経済学研究科 特命講師 小島 理沙

近年、海洋プラスチックごみ問題がクローズアップされていますが、海洋でのプラスチックによる様々な問題点については、1970年代からすでに指摘されています。問題の論点は、大きく分けると、海洋生物自体への影響、海洋生物を接食する生物への食物連鎖への影響、海洋環境自体への汚染(景観汚染も含む)の3点であると考えられ、それぞれに対して世界各国で様々な研究が進められています。

経済学部で実施しているESD演習は、社会科学的なアプローチをベースとして、海洋プラスチック問題がどこにあるかを議論し、仮説と検証、原因と結果などについて学生が議論し、フィールド調査の設計を行い、実地調査を経て、最終レポートを作成するというプロセスを行っています。

都市部から海域へプラスチックごみが流出する経路は、河川や港湾の公園などからだと考えられ、神戸市内を流れる川を調査対象として、川の特徴を捉えながら、合計5つの河川を調査しました。上流から下流にかけて、落ちている「ごみ」を写真で撮影し、その写真を該当箇所の地図(グーグルマップ)に落とし込んできました。フィールド調査の後、廃棄されやすい場所の特徴や、廃棄されていたごみの特徴を分析しながら、解決策の模索を行い、調査レポートの作成を行いました。2020年度についても、引き続き海洋プラスチック問題を取り上げ、神戸市内の河川調査を発展させる研究を行います。

図:フィールド調査結果地図
グラフ:河川ごとの廃棄されていた食品包装の中身の内訳