製品群が同質化してしまう現象は、俗に「コモディティ化」と呼ばれる。既存研究では、コモディティ化が発生する原因を、部品のモジュール化やアセンブリ段階での過当競争に求めてきた。つまり製品の同質化は、サプライ・チェーンの上流で起こることが指摘されてきた。それに対して本書は、サプライ・チェーンの下流で観察される「流通業者のシビアな死筋排除」(売れ行きの芳しくない製品を即座に店頭から締め出す行為)が、コモディティ化の原因になっていることを、理論的・実証的に説明する。加えて、コモディティ化がサプライ・チェーンの下流で生じているとすれば、脱コモディティ化(製品差別化)の方策も当然、流通業者との取引を考慮したうえで検討されるべきものとなる。そこで本書は、マーケティング・チャネル論の視座から、脱コモディティ化に向けたユニークな処方箋の提示を試みる。