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環境に関する教育・研究と地域連携

トピックス

神戸大学環境年2008

地域連携担当理事堀尾尚志

温暖化や異常気象といった地球規模の問題から、都市そして街路といった身近な問題に至るまで、環境への関心は重層的に広がり、環境とのかかわりは多様化してきた。本学における環境研究もまた、同じように地球規模から都市の規模まで、さまざまな分野において展開されてきた。

主要先進国首脳会議の環境大臣会合が神戸において開催される本年は、神戸にとってひとつの画期となることにあわせ、本年を「神戸大学環境年2008」と位置づけ、一連の企画をシリーズ的にアピールすることとした。それは、本学が、その研究そして本学と係わる NPO あるいは学生の活動をとおして、地域社会そして国際社会に貢献していくメッセージでもある。

「神戸大学環境年2008」の取り組みの一覧を示すが、それらの中から2件を紹介したい。

ひとつは、「神戸大学 ESD シンポジウム」の ESD すなわち、「環境教育 ( Environmental Education ) 」や「持続可能な発展 ( Sustainable Development ) 」という課題を持続可能な発展のための教育に係わるものである。発達科学部が文学部・経済学部とともに獲得した現代 GP「アクション・リサーチ型 ESD の開発と推進」を中心に企画された。

第1回シンポジウムでは、「 ESD 概念の奥ゆきをさぐる」をテーマに、外国から ESD の専門家を呼び開催された。第2回シンポジウムでは、「持続可能な社会をめざす環境リーダーを日本の若者から」をテーマに、前国連大学のファン・ヒンケル学長を招聘した。また、大震災の経験をもつ神戸で開かれるシンポジウムとしての特徴をもたせる「持続可能な社会と防災」というテーマや、環境そのものだけでなく人権や平和、ジェンダー、文化の多様性、自然資源管理などの観点を加えて、「持続できる社会」とは何かという問題を問い直すところから、環境教育を構築していこうとしている。

環境に係わる地域社会への貢献のひとつとして、「持続可能な社会のための環境学生会議」の開催について触れたい。この「学生会議」を主催した大学コンソーシアムひょうご神戸は、兵庫県下の大学相互そして地域の各界が連携していく組織として、平成18年6月に設立された。現在、29大学と8短期大学・短期大学部が加盟しており、野上学長が理事長を務めている。コンソーシアムの事業のひとつである社会連携事業については本学企画部社会連携課がその事務に当たっている。

「学生会議」では、県下や各地の大学から学生が集まって、ポスターや口頭の発表などを通して相互に意見交換し、それぞれの活動について情報と理解を共有でき、大学を越えた交流の場となった。これを機に、今後続けていくスタートアップの年と位置づけた。

学生の交流が、大学の研究に支えられた、また教育に結び付けられた活動にベースを置くものであることが必須であろう。学生間の交流だけでなく、こうした企画の教育プログラムへのフィードバック、コンソーシアム参加大学での環境関連授業のコンテンツ共有からeラーニング共同開設へ、環境関連授業の単位互換への仕組みつくり、さらにはボランティア精神の涵養及び地域連携への意識向上、そのような効果が期待されている。

シンポジウム
国連大学ファン・ヒンケル前学長による
特別講演「環境を踏まえ持続可能な社会の発展をめざす教育の意義」を聞く参加者( 神戸大学百年記念館六甲ホール )
「持続可能な社会のための環境学生会議」第1回でのポスターセッションで互いの発表について意見を交換する参加者( 神戸大学百年記念館ロビー )
 
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