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環境に関する教育・研究と地域連携

トピックス

ヒートアイランド対策とクリマアトラス
−都市環境・設備計画研究室の取り組み

工学研究科建築学専攻森山研究室修士1年生岩崎元英村井佐江

5月17日に行われた「持続可能な社会のための環境学生会議第1回」に参加し「ヒートアイランド対策とクリマアトラス−都市環境・整備計画研究室の取り組み」について発表しました。

私たちの研究室は、工学研究科建築学専攻の中で都市環境計画、設備システムという分野を専門としています。大変幅広いのですが、短く言えば、みどりとエネルギーの視点から建物や街をエコロジカルに計画する研究です。現在、研究室で取り組んでいる研究には、クリマアトラス、グラスパーキング、潜熱蓄熱型空調機などがあります。グラスパーキングの研究は、兵庫県が行っている都市緑化やヒートアイランド対策事業の一つで、県庁南の駐車場などで実験を行っています。また、潜熱蓄熱型空調機の研究は、深夜電力を利用して蓄熱する空調システムで、二酸化炭素削減、省エネ等が期待されています。以下ではクリマアトラスの研究について紹介します。

現在の都市が抱える重要な問題のひとつに、都市のヒートアイランド現象が挙げられます。ヒートアイランド現象は、都市部の気温がその周辺の自然地域に比べて高温を示す現象です。最も顕著に確認される時刻は日没から夜中にかけてといわれており、夜間に都心部が高温に保たれないようにすることが、ヒートアイランド対策として重要となります。具体的な対策としては、空調、照明や自動車による人工排熱を削減することと、昼間の日射熱を夜間まで溜め込まないこと ( 蓄熱の抑制 ) が挙げられます。これらとともに昼間のヒートアイランド対策として、涼しい風が街を通り抜けるような風の道をつくることが重要です。

クリマアトラス ( 都市環境気候地図 ) とは、都市計画や建築計画に活かすことを目的として、気候や大気質の情報を地図の形式でわかりやすく表現したもので、気候分析地図 ( 図1 ) と計画指針地図 ( 図2 ) があります。都市気候の現状を把握し、熱環境の改善計画や大気汚染対策を目的とした都市計画のために、クリマアトラスを活用できます。さらに、作成されたクリマアトラスを用いて、気候の専門家と行政担当者、建築家、住民等が参加してワークショップを行い、具体的な提案を行います。それらの提案を基に、都市のヒートアイランド現象の緩和に考慮した都市づくりが行われることが目標となります。

図1大阪駅北地区の気候分析地図
図1大阪駅北地区の気候分析地図
図2大阪駅北地区の計画指針地図
図2大阪駅北地区の計画指針地図
 
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