神戸大学の環境パフォーマンス

環境マネジメントの取り組み

環境マネジメントに関する方針

「神戸大学ビジョン」の達成に向けて、本学が世界最高水準の教育・研究拠点として、大学における全ての活動を通じて、現代の最重要課題である地球環境の保全と持続可能な社会の創造に全力で取り組むため、「神戸大学環境憲章」、本学の環境・施設マネジメントの基本事項をまとめた「神戸大学における環境・施設マネジメントに関する基本方針」を踏まえ、第3期中期目標期間(平成28年度~33年度)における環境マネジメントを推進するための基本方針を平成28年3月に制定しました。この方針に基づき、環境保全活動を実施しています。

第3期中期目標期間における
環境マネジメントを推進するための基本方針

Ⅰ 3R活動の推進
本学の全構成員によりリデュース、リユース、リサイクル(3R)を推進し、資源の消費量を減らすと同時に廃棄物を積極的に削減していきます。
Ⅱ エネルギーの使用の合理化に関する取り組み
エネルギーの有効な利用を推進することにより、原単位でエネルギー使用量を年平均1%以上削減することを目指すとともに、全学のCO2排出量の削減に努めます。

(※)原単位とは、建築物の延べ面積あたりを示す

Ⅲ 環境マネジメントサイクルの実施と継続
環境マネジメントを推進するために必要な行動計画を立案し、PDCAサイクルを実施し、継続します。

紙ごみ削減の取り組み

環境キャラバンにより、ごみ箱・ごみ集積場所のごみを調査した結果、リサイクル可能な紙ごみが多く含まれていました。

  • ごみの調査状況(屋内)
  • ごみの調査状況(屋外)
  • 未分別のごみ箱
  • 自作紙ごみ容器

雑がみのリサイクルの依頼を、環境報告書の全学報告会で来場者に直接行い、また各部局に依頼文を送り、ポスターの貼布や雑がみをリサイクルするための容器の設置を促しました。

「神戸大学温度計付マグネット」の作成、配布

環境保全に関する意識啓発と、空調の温度設定の目安として利用してもらうことを目的として、「神戸大学オリジナル温度計付マグネット」を作成し、新入生オリエンテーションで新入生に配布しました。それにあわせて「環境報告書2017」ダイジェスト版も配布しました。

温度計付きマグネットと環境報告書を配布

環境キャラバンと環境改善キャラバン

本学では、平成21年度から環境キャラバンを毎年実施しています。主要団地を対象に、ランダムに選んだ部屋に対して抜き打ちで空調温度の設定、不使用室の消灯、ごみの分別等について視察を行い、今後の計画策定や改善に必要な情報の収集と、部局ごとに抱える課題の把握と整理を行うことを目的としています。

平成25年度からは、講義室やコモンルーム、事務室および屋外を重点的に実施することとし、対象部局を複数年で視察するように計画しました。平成29年度は、六甲台第2キャンパスを対象に学生等が自由に出入りできる部屋や、屋外のゴミステーション等を重点的に視察しました。

環境改善キャラバンは、平成23年度にスタートしており、関係部局へ環境キャラバンの結果を報告するとともに、課題解決のための意見交換や改善提案等を継続しています。環境改善キャラバン実施後には、フォローアップとして、明らかになった部局ごとの課題に対して、改善の取り組み結果を報告してもらい、確実にActionを実施し、PDCAサイクルを回しています。

この活動と部局での取り組みが積極的に行われた結果、空調の過度な温度設定が減り、屋外ごみ置き場が整備され、ごみの散乱がなくなるなど、環境キャラバンでの指摘事項は年々減ってきています。

環境改善キャラバン

環境キャラバンの結果報告、課題解決のための意見交換や改善提案

環境キャラバン

施設視察、計画策定等のための情報収集、部局ごとの課題の把握と整理

  • 環境キャラバンと環境改善キャラバン
    環境改善キャラバンの様子
    (結果報告、課題解決の意見交換状況)
  • 環境キャラバンと環境改善キャラバン
    環境キャラバンの様子
    (室内温度、節電ポスターの状況調査)
  • 環境キャラバンと環境改善キャラバン
    環境キャラバンの様子
    (室内の現状把握・評価状況)
  • 環境キャラバンと環境改善キャラバン
    環境キャラバンの様子
    (ごみの分別状況調査)
  • 第7回環境保全推進センター全学報告会
    全学報告会報告状況
  • 第7回環境保全推進センター全学報告会
    全学報告会報告状況
  • 第7回環境保全推進センター全学報告会

全学報告会の実施

平成25年度以前においても環境管理センター(現在の環境保全推進センター)で講演会等を実施していました。組織の改組に伴う平成26年度より、本学の構成員に対する環境教育に関することや、環境保全に関する調査および研究に関することなど、環境保全活動の推進に一層取り組む体制となり、毎年全学報告会を行っています。

環境保全推進センターが発足して4年目となる本年、さらなる全学的な環境保全活動の推進定着が必須となっています。環境保全推進センターの使命を環境保全推進員などセンター関係者全員に理解いただくのと同時に、全学構成メンバー全員に環境活動の推進・展開にむけた活動方針、活動概要について紹介しました。

第7回環境保全推進センター全学報告会

日時
平成29年11月14日(火) 16:00~17:00
場所
百年記念会館 六甲ホール
対象
環境保全推進員、本学教職員や学生を含む参加希望者
内容
担当理事挨拶
環境担当理事  吉井 一雄
第3期中期活動にむけて
センター長   教授 佐藤 正昭
平成28年度の活動概要
副センター長  准教授 牧 秀志
センター専門委員会の平成29年度期概要と今年度の活動概要
・環境企画・評価専門委員会
 環境企画コーディネーター  末次 憲一郎
・エネルギー専門委員会
 環境企画コーディネーター  末次 憲一郎
・環境管理・教育専門委員会
 環境管理部門長 准教授   井原 一高
特別講演 『メディアの中の環境問題 これまで・これから』
朝日新聞社 科学コーディネーター  高橋 真理子

第35回大学等環境安全協議会総会・研修発表会

平成29年7月20日(木)から翌21日(金)に第35回大学等環境安全協議会総会・研修発表会が本学百年記念館の六甲ホールで開催されました。この大会は、大学等の環境・安全マネジメント、安全衛生管理及び環境安全教育に関する運営と教育を充実させることを目的とするものです。参加者は研究者のみならず、技術職員や事務員など広範な大学関係者および産業界関係者です。

大学等環境安全協議会理事会・開会挨拶

1日目は、大学等環境安全協議会(以下、大環協)理事会の後、大環協会長の京都大学環境科学センター長の酒井伸一教授、文部科学省大臣官房文教施設企画部参事官の笠原隆氏、そして本学の武田廣学長のご挨拶を頂き、大会がスタートしました。

今回特別に、文部科学省参事官の笠原隆氏に「実験施設の整備等における留意点について ~安全衛生対策及び省エネ対策等~」と題した特別講演を行って頂きました。

企業セッション

これは大学等の環境・安全マネジメントに資する産業界における企業の開発商品等をご紹介頂くことを趣旨としています。各企業ブースで、化学薬品管理、実験等に伴う有害ガスの排出設備や、各種の省エネ・環境保全・環境負荷低減に寄与する最新の機器・設備・化成品・ソフトウェアが活発に紹介されました。

大環協プロジェクト報告講演

このプロジェクトは、大環協と大学等が環境・安全マネジメントや安全衛生管理及び環境安全教育の推進に関連する事業や研究に対して行っているもので、本学でも本年度、環境保全推進センターが吉村知里助教を研究代表者として「大学実験排水からの汚泥エミッション削減に関する研究」と題したプロジェクトの採択を頂いています。今回は、熊本県立大学の有薗幸司先生、横浜国立大学の鈴木雄二先生、東京大学の辻佳子先生に、それぞれ「実験廃液中水銀測定用イムノクロマトの開発のための基礎研究」、「安全衛生管理における情報管理システムの汎用性向上の検討」、「初期消火の啓蒙活動に向けた整備」と題したご報告講演をして頂きました。

特別講演

本学海事科学研究科の香西克俊先生に「海洋環境のサテライトモニタリング」と題したご講演を頂きました。人工衛星データを駆使したグローバルな環境問題への対策法や、気象データを利用した効率的な洋上風力発電の実現に向けたご研究を紹介して頂きました。

一般発表・閉会挨拶

二日目は一般発表が行われました。全国の大学における実験排水管理や省エネの取り組み、スマートデバイスを用いた環境分析、大学に適した化学物質のリスクアセスメント法に関しての発表が行われました。最後に、大環協副会長の東京大学の大島義人先生より、閉会のご挨拶を頂きました。参加者は165名でした。大変多くの方々にご参加頂きありがとうございました。