環境に関する教育研究とトピックス [トピックス]

神戸大学環境学生調査隊の活動を通して

経営学部4年 今橋 陵

全学的な環境活動に対して学生の関与が少ないという神戸大学の状況を改善するため、他大学の状況の調査や学生目線での提案を目的として2012年秋に学生3名で結成された神戸大学環境学生調査隊は、2013年に私を含めた3名の2期生が加わり、学生6名で活動を行ってきました。限られた人数ではありましたが、環境管理センターや多くの教職員の方々の協力を受け、今年度は精力的にさまざまな活動に取り組むことができました。

主な活動として、2013年6月には環境サークルエコロ、NPO法人ごみじゃぱんと共同で、学生に環境への興味を持ってもらうための学内イベント「エコフェスタ」を開催しました。ここでは集まった学生や職員の方々の間で活発な意見交換が行われ、今後大学の環境改善活動を推進していく際に役立つものも多く、非常に有意義なイベントとなりました。

学長との対談
学長との対談
北海道大学SCSD との集合写真
北海道大学SCSD との集合写真
温度計付マグネットのデザイン“環ちゃん”
温度計付マグネットのデザイン“環ちゃん”

また、8月には学長と対談を行いました。その際には、大学の環境保全活動に関する思いを伺い、学生目線からの提案も行いました。意思決定のトップとの対談は貴重な経験であり、我々のその後の活動の指針が定まりました。

11月には、北海道大学を訪問調査し、環境学生団体であるSCSDとの意見交換を行いました。環境保全活動に学生を巻き込んでいくための考え方等、参考になる部分が多く、大変有意義な時間を過ごすことができました。

SCSD:The Students Council for Sustainable Development

12月には学長に提案した企画をもとに、エコアイデアプレゼン大会を開催しました。学生目線からの環境改善活動のアイデアを発表する場を提供したことで、学生の大学の環境への意識を高めることに貢献できたのではないかと感じています。2014年に入ってからは、新入生に配付する温度計付マグネットのデザイン募集を行い、採用となったデザインから猪の女の子である環ちゃんが我々の公認キャラクターとなりました。

1年間の活動を通じて感じたのは、学生に環境保全活動へのインセンティブを与えることの難しさです。我々や環境系学生団体(環境サークルエコロ、NPO法人ごみじゃぱん)は認知度が低く、メンバーが少ないという共通した悩みを抱えています。学内に環境意識の高い学生が少ないことは、大学、環境系学生団体ともに共通した認識で、全学的な大きな課題となっています。この課題を解決するため、各団体を統合した「神戸大学環境学生委員会(仮称)」の設置について検討を始めました。これにより、各団体の連携をさらに強化してお互いの活動をサポートし、現在のメンバー不足を補うことができると考えられます。

今後の活動内容としては、環境意識の高くない学生も気軽に立ち寄れる「トークカフェ」のようなイベントの開催や、そうしたイベントの恒例化による認知度の向上、イベントでのインセンティブの仕組みを検討したいと思います。また、「エコアイデアプレゼン大会」で発表されたアイデアの実現に向けた取り組みも行っていきます。

私自身、この団体での活動を始める前はあまり環境に対して配慮した生活を送っていなかったと思います。しかし、自ら主体的に活動を行うことで、徐々に意識は高まり、日々の生活を環境保全の視点を持って過ごすことができるようになったと実感しています。大学における最大の構成員である学生が主体的に環境保全活動に取り組み、環境を意識した生活を過ごせるように、これから一層活動に力を注いでいこうと考えています。

神戸大学環境学生調査隊HP https://www.facebook.com/kobe.kankyo