環境に関する教育研究とトピックス [環境に関する教育]附属学校連携授業:環境と経済は両立する


授業風景
2015年10月25日(日)に附属学校連携授業を行いました。今回は、経済学部が担当し、滝川好夫教授と石川が担当しました。対象は、小学1年生から中等教育学校5年生(高校2年生に相当)と幅広く、大学での授業を体験してもらうことが目的です。参加者は非常に多く、約170名にもなりました。

私は、「環境と経済は両立する」というタイトルで講義をし、その後、ごみじゃぱんの学生が中心となって、「消費行動の実験」を行いました。

講義では、日本の公害の歴史を紹介し、特に大気汚染対策として実施された自動車の排気ガス規制の経緯を述べ、日本の自動車企業は、大気汚染規制基準を満たすために取り組んだ技術開発の結果、燃費が向上し、2度の石油危機もあって、結果として、国際競争力が大きく向上し世界で戦える産業となったことを説明しました。

これまでの経験では、経済的に発展すると環境問題を引き起こしてきたため、経済と環境は両立せず、環境規制を強めると経済発展が阻害されると考える人が多いのですが、環境規制によって技術開発が進み、結果として経済が発展することもあります。また、日本が70年代以前の深刻な公害問題を乗り越えてきた歴史を振り返ると、全ての問題が解決したわけではないですが、多くの問題は、経済が成長することによって効果的な対策をとることができています。

 

経済と環境は両立しうるのです。

 

後半の「消費行動の実験」では、参加児童40名が班に分かれ、たくさんの種類のお菓子から、1,000円分ずつを選んで、お皿に盛りつけ、全員で盛りつけの美しさを採点しました。一番点数が高かった班を表彰しました。

その後、各班が買ったお菓子の包装の重さを計算し、一番軽かった班をごみが一番少ないという意味で表彰しました。

表彰の後、ごみじゃぱんのメンバーの学生から、「なぜごみの量が少なかったか考えてください。買いものの時にごみが少なくなることを考えて買いものをすれば、企業も包装が少ないお菓子を作るので、社会全体でごみが減ります。」という説明があり、皆で、お菓子をいただきました。

  • 消費行動の実験