平成21年1月5日

新しい年を迎えるにあたって

神戸大学長 野上智行

新年明けましておめでとうございます。

たいへんに厳しい環境の下で新年を迎えました。世界は連結しており、ボーダレスであり、複雑であっても一つの系であることを痛感させます。

世界が連結し、 あらゆる事柄が国際的に連動して生じる時代を迎えたが故に、 国際的に卓越した大学となることを目指している神戸大学は、 貴重な機会に巡り会っているということができます。 神戸大学人として、自らの責務を果たすことに大きな手応えを得ることができる年であります。  

神戸大学で学ぶ学生諸君には、この困難な時代に挑戦し、 未来を構築する力を培うことが求められています。  

優れた資質を持つ学生諸君が学び、 自らを形成する場として神戸大学は更に卓越した環境を形成していかねばなりません。  

その環境は、真理を追求し、あるいは新たな技術開発に没頭する中で、 学生と共に学び続けることに意義を見いだす教育研究者で構成され、 この営みを可能にする環境を整えることに喜びを見いだす優れた事務スタッフで構成されていなければなりません。  

その環境は、互いの尊厳を守り、相互に啓発できる存在となることで初めて形成されるものです。 神戸大学はこれを為すことができる大学であり、私たちはこの新しい年の初めにもう一度このことを強く自覚しておきたい。  

この年、神戸大学は国際的に卓越した大学となるための「神戸大学ビジョン2015」で掲げた「チェンジ」 「チャレンジ」「エクセレンス」の3つのフェーズの最初の「チェンジ・フェーズ」の最終年度を迎えます。 この新しい年に、国内外の厳しい環境の中で革新を為すことができるならば、 私たちは更なる「チャレンジ」を為す体制を整えたことになります。  

自ら変革を為すことができる大学には未来が約束されていると信じます。  

新しい年、革新を為す年、なにとぞ宜しくお願い申し上げます。