株式会社オカムラ (以下、オカムラ)、株式会社メディカロイド (以下、メディカロイド)、国立大学法人神戸大学 (以下、神戸大学) は、手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム (以下、hinotoriTM)」用のチェアとして「kumpel (クンペル)」を共同開発しました。
概要
「hinotoriTM」は、2020年8月にメディカロイドが国産として初めて製造販売承認を取得した手術支援ロボットシステムで、執刀医の負担を軽減し、高精細な3D内視鏡画像により執刀医と助手の医師との円滑なコミュニケーションをサポートします。しかし、手術支援ロボットによる手術は、スコープを覗く姿勢を長時間とりながら頻繁で細かな手と足の操作を行うため、手術時の椅子に対しての課題が残されていました。
オカムラは、1980年より働き方や働く空間に関する研究機関を設け、働く姿勢に関しても調査・研究を続けてきました。医療施設においても調査・研究を行い、病院やクリニック、介護施設向けの数多くの家具の開発・製造・販売と空間設計を行ってきました。
今回、「hinotoriTM」用のチェア「クンペル」の開発にあたり、メディカロイド、神戸大学と共同で手術支援ロボットシステムにおける作業姿勢の調査を行いました。独特な作業姿勢でありながら長時間を要するロボット支援下手術の疲労を軽減することを目的として「クンペル」を開発し、さまざまな機能を盛り込みました。長時間の作業でも疲れにくいように術者の骨盤を立たせ正しい姿勢をサポートし、フットペダル操作時に足を動かしやすくするため、座は5度に前傾します。背座一体型のシートは、快適に手術作業ができるよう腰を包み込む背もたれと腿裏を圧迫しない座面形状にこだわりました。座は、フットペダルを操作しやすいように奥行を短くし、先端はV 字形状を採用しました。
本製品により、手術支援ロボットによる施術時の医師への負担軽減が見込まれます。
手術支援ロボット「hinotoriTM」専用チェア「kumpel (クンペル) 」の特徴
「クンペル」は、独特な作業姿勢でありながら長時間を要するロボット支援下手術の疲労を軽減できるようにさまざまな機能を盛り込んだ「hinotoriTM」用チェアです。
「hinotoriTMサージカルロボットシステム」の概要
2020年8月にメディカロイドが国産として初めて製造販売承認を取得した手術支援ロボットシステムで、オペレーションユニット、サージョンコックピット、ビジョンユニットの3ユニットで構成されています。手術を実施するオペレーションユニットのアームは、ヒトの腕に近いコンパクトな設計で、アーム同士やアームと助手の医師との干渉を低減し、より円滑な手術が可能となることが期待されます。サージョンコックピットは、執刀医の姿勢にあわせることが可能なように人間工学に基づいた手法で設計されており、執刀医の負担を軽減し、ストレスフリーな手術をサポートします。ビジョンユニットは、サージョンコックピットに高精細な内視鏡画像を3Dで映し出すとともに、執刀医と助手の医師との円滑なコミュニケーションをサポートします。