青山商事株式会社(本社:広島県福山市/代表取締役社長:青山理)は、「洋服の青山」と「神戸大学」の産学共同研究により肩への着圧が1/5になることを実現したスーツを、10月10日(木)から全国の洋服の青山および、公式オンラインストアで発売開始しました。
季節が秋冬に移行するに伴い、ジャケットを要望する方が増え、「見た目はキチっとした スーツでありながらも楽に着用したい」という声があがっています。そこで、長年「洋服の青山」で培ってきたメンズテーラードの技術にレディスウエアの発想を取り入れることで、従来品よりも肩の可動域が広い着心地のよいスーツが完成しました。商品化にあたり、人間発達環境学研究科衣環境学研究室の井上真理教授が産学共同研究に参加し、共同研究「特別縫製仕様によるスーツ着用時の衣服内圧の比較検証」によって動きやすさを数値化しました(図1、2)。
※共同研究は、青山商事株式会社より研究経費、生地及びスーツの提供を受けて実施されましたが、共同研究の成果に関係する、データの管理や統計・解析に同社の関与はありません。
肩くるしくないスーツの特徴
ジャケットの特徴は、肩の可動域の広がりと着用時の軽さ柔らかさを表現するために、従来のアームホール全体を縫いつける伝統的な縫製から、レディスウエアの特徴でもある縫い付け箇所を少なくしながらも強度を持たせる縫製に変更しました。メンズだけでなくレディスの縫製にもこだわっているからこそ、新たな発想で手掛けることのできた企画です。また表地は、この縫製によるメリットを引き出すため独自開発したポリエステル素材を採用。イージーメンテナンスと着心地の楽さを追求しつつも、これまで培ってきた立体縫製の技術により、キチっと見えするスーツとなっています。
研究者コメント
衣服・繊維製品の着心地、使い心地は感覚的なものですが、それを素材特性から捉え数値化し、布の風合い、温熱的快適感、動きやすさを客観的に評価する研究を行っています。
今回の共同研究では、動きやすさを数値化するためにスーツを着用して動作した時の着圧(衣服圧)を測定しました。人によって圧がかかる部分が異なるため、着圧センサーの装着に苦労しました。実際に腕の上げ下げによる着用感の違いははっきりしていましたが、データとしてここまで差が出るとは思いませんでした。