神戸ナノフォトニクス国際共同研究拠点の確立

光の波長よりも小さい構造を用いて光を高度に制御するナノフォトニクスの研究は、欧米を中心に急速に進んでいます。特に、高屈折率誘電体ナノ構造をナノアンテナとして用いる研究は、光分野に新たなイノベーションをもたらすと期待されています。一方で、国内ではこの分野をリードする研究拠点がまだ十分に形成されていません。

高屈折率誘電体ナノアンテナの形成には、半導体微細加工を用いるトップダウン方式と、ナノ粒子を加工・配列するボトムアップ方式があります。我々は2020年に、独自の方法で高品質なシリコンナノ粒子を大量生成する技術を開発しました。これにより、理想的なMie共鳴特性を持つ結晶シリコンナノ粒子を安定して製造できる基盤を整えています。

当グループは多数の欧米のトップ研究機関と共同研究を行っており、この国際ネットワークを基盤として、神戸大学を中心としたグローバル拠点を設けます。ナノ材料を用いた基礎物理からバイオ応用まで幅広い共同研究を行う海外拠点と連携し、国際連携を継続的に強化していきます。また、若手研究者を各地域のサブ拠点リーダーに任命し、長期的な拠点形成を目指します。

近年の成果として、シリコンナノ粒子の「Mie共鳴」現象を活用し、世界最軽量クラスの構造色塗装を実証しました。従来の構造色は見る角度で色が変わる等の課題がありましたが、開発したインクはわずか一層塗るだけで、角度依存性が小さく鮮やかな着色が可能です。理論上、航空機の塗装重量を1/10以下に軽量化できる可能性があり、環境負荷の低い次世代の着色技術として幅広い応用が期待されます。

本プロジェクトでは、共同研究ネットワークを活用し、定期的な交流を通じて国際共著論文の増加や大規模な国際プロジェクトの獲得につなげていきます。さらに、若手研究者の育成も重要な目的として位置づけ、2025年以降に増加予定の博士研究員や博士課程学生に対して、共同研究先に滞在して高度な実験や研究を行う機会を設けます。これにより高インパクトな国際共著論文の発表を目指すとともに、海外の若手研究者を招聘し、神戸大学の研究力とプレゼンスを高めていきます。

プロジェクト期間

2025.04.01 ~ 2028.03.31

SDGs

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