バイオ生産に資する新規生合成反応系アトラスの構築

本プロジェクトでは、バイオものづくりにおける生産量・生産速度のボトルネックとなりやすい「酵素」に着目し、ターゲット物質の生産に最適な酵素を短時間で選定し、改良まで行える汎用型プラットフォームの構築を目的とします。 

従来の酵素探索・改変は、候補設計、実験、評価の反復に多大な時間を要し、対象物質が変わるたびに開発が作り直しになりがちでした。 そこで本研究では、酵素反応と代謝経路に関するデータを計画的に収集・統合し、AIによる設計・予測とロボティクスによる自動実験を連結したワークフローを確立することで、試行錯誤の回数そのものを減らし、開発サイクルの高速化を実現します。 

また、DBLRの取り組みであるスマート育種(微生物株開発)、バイオ生産、分析評価、プロセス開発を、酵素レベルの最適化技術で補強し、研究開発のスピードと成功確率を底上げします。

さらに本研究は、バイオ工学に加えて情報・機械・電子などのデジタル領域を横断し、国際共同研究によって多様性の高いデータを確保しながら推進します。 世界各地の第一線研究者との連携を通じて、AI解析に不可欠な幅広い酵素反応・代謝経路データを蓄積し、国際競争力のある研究基盤へと発展させます。

その中核となる成果として、最適な酵素の組合せと反応条件を体系化した「生合成反応系アトラス」(物質生産のための代謝マップ)の整備を目指します。 これにより、特定の物質に閉じない再利用可能な知識基盤が形成され、バイオ生産プロセスの設計がより迅速かつ確実になります。 

本学が推進するデジタルバイオ&ライフサイエンスリサーチパーク(DBLR)の発展にも直結し、バイオものづくりを強み領域として世界水準で拡張するための基盤技術になります。 成果は、産業競争力の向上に加え、カーボンニュートラルやWell-beingといった社会課題の解決にも波及することが期待されます。 同時に、分野横断で議論し実装まで見据えて動ける卓越実践人材・博士人材の育成の場を形成し、異分野共創型研究教育の高度化に貢献します。

プロジェクト期間

2025.04.01 ~ 2028.03.31

SDGs

  • SDGs9

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