工学研究科 大村直人教授の研究グループが発表した論文“Heat transfer characteristics of Taylor vortex flow with shear-thinning fluids”が、工学的に特に意義のある論文として選ばれ、Advances In Engineering (AIE) のウェブサイトにて紹介されました。論文の筆頭著者の増田勇人さんは、神戸大学大学院工学研究科の博士課程修了者 (指導教員 大村直人教授) です。

 AIEは全工学分野における主要な国際学術誌から特に優れた研究論文を取り上げて、自社のウェブサイトで紹介しています。選考委員は世界のトップ大学の副学長や学部長、著名な学術誌の編集委員長などで構成されており、工学の全分野から1週間あたり20報の論文 (全出版数の0.1%以下) が選ばれます。今回、AIEに取り上げられたことから、本論文の学術的・工学的価値が高いことが示されました。また、AIEは世界の民間企業にその研究成果の概要を周知し、コンサルティングやマッチングを行なっているため、今後の国際共同研究への発展が期待されます。

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研究内容

 今回AIEに紹介された論文は、回転式二重円筒間に生じるテイラー渦流の伝熱特性を調査したものです。特にshear-thinning流体 (せん断速度の増加に伴い粘度が減少する流体) を対象として、数値流体力学 (Computational Fluid Dynamics:CFD) を用いて局所の速度場や温度場を明らかにした上で、伝熱係数に関する相関式を構築しました。高分子流体や液状食品などの多くはshear-thinning流体を示すため、本論文で得られた知見は様々な分野へ応用可能です。実際に、大村教授の研究グループは静岡県立大学・増田勇人助教やワルシャワ工科大学・Hubacz Robert博士と共同で、テイラー渦流を利用したバイオポリマーの酵素分解プロセスや食品の加熱殺菌プロセスの開発にも取り組んでおり、こちらの研究についても多くの国際学術誌や国内外の学会で発表をしています。


研究支援

 なお、紹介された研究は、日本学術振興会・科学研究費補助金「基盤研究A」(課題番号:JP18H03853)、(公財) 浦上食品・食文化振興財団の支援を受け実施しました。

論文情報

・タイトル
Heat transfer characteristics of Taylor vortex flow with shear-thinning fluids
doi:10.1016/j.ijheatmasstransfer.2018.10.095

・著者
Hayato Masudaa,b, Makoto Shimoyamadaa, Naoto Ohmurab,c
  • a School of Food and Nutritional Science, University of Shizuoka
  • b Complex Fluid and Thermal Engineering Research Center (COFTEC), Kobe University
  • c Department of Chemical Science and Engineering, Kobe University

・掲載誌
International Journal of Heat and Mass Transfer

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