工学研究科 大村直人教授の研究グループが発表した論文“Friction Factor Distribution at the Side Wall of a Turbulent Agitated Vessel with Baffles Using a MAXBLEND Impeller”が、工学的に特に意義のある論文として選ばれ、Advances In Engineering (AIE) のウェブサイトにて紹介されました。論文の筆頭著者の越智友亮さんは、2022年3月に工学研究科の博士課程を修了し、博士(工学)の学位を取得しました (指導教員 大村直人教授)。大村直人教授の研究グループの論文は2019年にAIEに紹介されており、今回2回目となります。

AIEは全工学分野における主要な国際学術誌から特に優れた研究論文を取り上げて、自社のウェブサイトで紹介しています。選考委員は世界のトップ大学の副学長や学部長、著名な学術誌の編集委員長などで構成されており、工学の全分野から1週間あたり20報の論文 (全出版数の0.1%以下) が選ばれます。今回、AIEに取り上げられたことから、本論文の学術的・工学的価値が高いことが示されました。また、AIEは世界の民間企業にその研究成果の概要を周知し、コンサルティングやマッチングを行なっているため、今後の国際共同研究への発展が期待されます。


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研究内容

本研究は、住友重機械プロセス機器(株)の竹中克英博士と共同で、住友重機械プロセス機器(株)が開発した大型撹拌翼マックスブレンドを設置した撹拌槽の側壁における流体摩擦係数の局所分布を、数値流体シミュレーション(CFD)を用いて研究したものです。通常、撹拌槽の側壁に混合を促進させるための邪魔板が設置されますが、側壁と邪魔板にクリアランスを設けると、側壁の流体摩擦係数は大きく変動することを明らかにしました。これらの結果は、乱流撹拌槽の側壁上の熱・物質移動が改善される可能性を示唆するもので、様々な工業プロセスで使用される大型撹拌翼を備えた撹拌槽の伝熱・物質移動性能を高めるための貴重な知見を提供するものです。


図1: (左)マックスブレンド翼と邪魔板、(右) 撹拌槽側壁とバッフルの間のクリアランスクリアランスの有無による流体摩擦係数の分布の違い
図2 撹拌槽内の無次元速度の大きさ: (左) クリアランスなし、(右) クリアランスあり

論文情報

タイトル
Friction Factor Distribution at the Side Wall of a Turbulent Agitated Vessel with Baffles Using a MAXBLEND Impeller
DOI:10.1021/acs.iecr.1c04229
著者
Yusuke Ochi, Katsuhide Takenaka, Yoshiyuki Komoda, Naoto Ohmura
掲載誌
Industrial & Engineering Chemistry Research, 61(3), 1514-1522.

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