本学名誉教授の五百旗頭真先生が、2024年3月6日にご病気のため逝去されました。

五百旗頭先生は、1981年に本学法学部教授に就任され、2006年まで教鞭を執られるとともに、日本政治史・政治外交史の分野で丹念な研究を積み重ねられました。また、先生のそうしたご研究に惹きつけられた者は数多く、本学において、後進の研究者の育成にも多大な貢献をされました。本学退職後は、防衛大学校長、公立大学法人熊本県立大学理事長、公立大学法人兵庫県立大学理事長などを歴任されるととともに、2020年には宮内庁参与に就任されました。また、先生の本学在任時に発生した阪神・淡路大震災との関係で、神戸市・兵庫県の復興に向けた取組を積極的に主導され、さらにその後は、その経験を活かされつつ、東日本大震災復興構想会議議長、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長なども務められ、日本が遭遇したさまざまな震災からの復興後の道筋を指し示す重責を果たされました。先日発生した能登半島地震との関連でも多くの提言をされていたのは記憶に新しいところです。

この度の思わぬ訃報に接し、日本が誇るべき知識人のお一人であり、本学における多大なご尽力はもとより、国際秩序のあり方を見据えつつ世界の中の日本の将来のヴィジョンを描くことに甚大なご貢献がありました五百旗頭先生のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。


令和6年3月7日
神戸大学 学長 藤澤 正人

 

(総務部広報課)