(令和2年3月18日国立大学法人神戸大学教育研究評議会決定)
(令和3年3月18日国立大学法人神戸大学教育研究評議会改正)

本指針は、「神戸大学における内部質保証の基本的な考え方」(令和元年5月23日国立大学法人神戸大学教育研究評議会決定)(以下、「基本的な考え方」とする。)に準拠した、本学における内部質保証に係る大綱的指針である。

1 内部質保証の目的

 内部質保証は、質保証の責任が、第一義的には大学自身にあるという考え方に基づいて、本学が自律的な組織として社会からの信頼を得るために、本学、各部局等、各教職員が、本学の理念や目的・計画のもとで、それぞれの使命や目標の実現に向けて、自らがその到達点を確認し、さらなる飛躍に努めることを目的とする。

2 内部質保証の分野

(1) 内部質保証は、教育、研究及び社会貢献を中心として、本学の理念や使命、外部組織による評価を考慮した分野やテーマを設定し、総合的に実施する。
(2) 教育の分野の内部質保証の対象は、教育課程、学生支援、施設・設備、学生受け入れとする。
(3) 教育以外の分野の内部質保証の対象は、各分野において設定するものとする。

3 内部質保証に係る責任体制

(1) 全学的な責任体制
 ① 中核となる委員会は、国立大学法人神戸大学教育研究評議会(以下「評議会」という。)とする。また、評議会は、基本的な考え方、内部質保証指針等の内部質保証に関する基本的な方針の策定を行うこととする。
 ② 統括責任者は、学長とする。
 ③ 自己点検・評価の責任者は、評価担当理事とする。
 ④ 改善・向上活動の責任者は、内部質保証の各分野の対象の担当理事とする。
(2) 教育の分野の内部質保証の責任体制
 ① 教育課程については、全学の担当組織を大学教育推進委員会とし、責任者を教育担当理事とする。各部局等(教育研究上の基本組織)の責任者は部局長とし、担当組織及び教育課程の責任者は、各部局等において別に定める。
 ② 学生支援については、全学の担当組織を学生委員協議会、留学生委員会とし、責任者をそれぞれの担当組織の長とする。
 ③ 施設・設備については、全学の担当組織を施設マネジメント委員会、情報委員会、附属図書館運営委員会とし、責任者をそれぞれの担当組織の長とする。
 ④ 学生受け入れについては、全学の担当組織を入試委員会とし、責任者を入試担当理事とする。
 ⑤ 各対象の担当組織の活動内容、構成員については、各対象において別に定める。
(3) 教育以外の分野の内部質保証の責任体制
 各分野の対象の設定を踏まえて別に定める。

4 内部質保証の基盤となる点検・評価の単位

本学における点検・評価は、以下の単位で実施するものとする。
(1) 国立大学法人神戸大学教員活動評価実施規程及び国立大学法人神戸大学年俸制適用教員活動評価実施規程(以下「教員活動評価実施規程等」という。)に基づく教員個人の教育研究活動等の点検・評価(「教員活動評価」)
(2) 教育課程ごとの「教育課程点検・評価」
(3) 部局(教養教育を担当する大学教育推進機構以外の学内共同利用施設等の組織に係る自己点検・評価の対象となる組織を除く。)ごとの「組織点検・評価」
(4) 教育分野の対象ごとの「対象別点検・評価」
(5) 神戸大学評価委員会(以下「評価委員会」という。)による前号までの各点検・評価に対する点検・評価 (「メタ点検・評価」)
(6) 評価委員会による大学の「総括的点検・評価」
また、教員以外の職員の点検・評価についても、個人及び組織の単位で、各部局等において実施するものとする。

5 内部質保証の手順

(1) 教育の分野について
 ① 教育課程については、まず、各部局が教育課程点検・評価、組織点検・評価を行い、全学評価・FD委員会において各部局からの報告をとりまとめ、全学的な点検・評価を行い、大学教育推進委員会がその点検・評価が妥当なものであるかどうかの確認等を行う。また、評価委員会によるメタ評価を経て、学長を長とする評議会がその確認等が妥当なものであるかどうかの確認等を行う。評議会の確認等の結果、課題がある場合は、大学教育推進委員会に改善を命じる。また、改善方策の進捗状況に課題がある場合も同様とする。
 ② 学生支援、施設・設備、学生受け入れについては、まず、全学の担当組織が対象別点検・評価を行う。また、評価委員会によるメタ評価を経て、評議会がその点検・評価が妥当なものであるかどうかの確認等を行う。評議会の確認等の結果、課題がある場合は、全学の担当組織に改善を命じる。また、改善方策の進捗状況に課題がある場合も同様とする。
(2) 教育以外の分野について
 各分野の対象の設定を踏まえて別に定める。
(3) 評価委員会は、各部局、各分野の点検・評価のメタ点検・評価を行い、評議会に報告を行う。評議会は、評価委員会の報告を踏まえて、確認等を行う。

6 内部質保証の基盤となる点検・評価の観点

(1) 教育活動
 教育活動の教育課程点検・評価、組織点検・評価及び対象別点検・評価は、基本的に大学改革支援・学位授与機構による大学機関別認証評価の大学評価基準等に準拠して実施するものとする。
 具体的な評価基準、評価対象については、内部質保証の対象ごとに別に定める。
(2) 研究活動
 組織点検・評価のうち、研究活動の点検・評価については、学問領域・研究分野の特性により、利用可能な評価の観点は異なる。したがって、各部局等の研究水準の点検・評価に当たり、どのような観点を用いるべきかについては、各部局等の長の責任において判断し選択するものとする。
 ただし、各部局等の長は、点検・評価に用いた観点について、評価結果とともに公表しなければならない。
(3) その他
 各部局等において教育研究活動及び他の活動 (教育研究支援活動、診療活動、管理運営活動、学界・社会での活動等) の点検・評価を実施するに当たり、独自の観点を追加的に設けることを妨げない。
 ただし、各部局等が点検・評価に当たり独自の観点を用いる場合には、当該観点による点検・評価の結果の適切性について慎重に判断しなければならない。
 なお、教員活動評価については、教員活動評価実施規程等に準拠して実施するものとする。

7 内部質保証の基盤となる点検・評価の方法

 点検・評価は、透明性と公正性を確保しつつ実施するものとする。すなわち、各部局等の長は、点検・評価を行うに当たり、その方針、方法、分野等について、各教職員に対して十分な情報を開示しなければならない。
 組織点検・評価に当たっては、自己点検・評価とともに、外部評価(ピア・レビュー等)を必ず実施するものとする。
 点検・評価は、可能な限り客観性や妥当性を担保できる証拠に基づいて実施するものとする。
 なお、自己点検・評価に係る根拠資料の収集・蓄積に当たっては、神戸大学情報データベース(Kobe University Information Database:KUID)を活用し、点検・評価の作業自体が過剰な負担とならないように、合理的かつ効率的な仕組みの下で実施することが望ましい。

8 内部質保証の周期

(1) 内部質保証の基盤である教育課程点検・評価、組織点検・評価及び対象別点検・評価、並びに、評価委員会によるメタ点検・評価及び大学の総括的点検・評価の周期については、別に定める。
(2) 教員活動評価については、国立大学法人神戸大学教員活動評価実施規程等に基づいて実施する。

9 内部質保証の基盤となる点検・評価の結果に対する異議の申し立て

各教員は、教員活動評価の結果に関して、教員活動評価実施規程等に基づいて意見の申し出等を行うことができるものとする。

また、各部局等の長は、当該部局等の点検・評価(教育課程点検・評価及び組織点検・評価)に対する評価委員会による点検・評価(メタ点検・評価)の結果について合理的な疑義が生じた場合には、以下の手続に従い異議の申し立てを行うことができるものとする。

(1) 評価委員会に対して、再度の判断を求めることができる。
(2) 異議の申し立てを受けた評価委員会は、これに真摯に対応しなければならない。
(3) 評価委員会は、異議の申し立てがあった部局等の長から意見を聴取し、当該部局等の点検・評価に対する点検・評価の結果の妥当性について最終的判断を行う。

なお、各部局等において教員以外の職員の点検・評価を個人及び組織の単位で実施するに当たっても、異議申し立ての手続を含めて、教員点検・評価及び組織点検・評価の場合と同様な透明性と公正性が確保されなければならない。

10 関係者からの意見聴取

各分野における内部質保証活動の際には、関係者(学生、卒業生(修了生)、卒業生(修了生)の主な雇用者等)から意見を聴取することとする。

意見聴取の実施時期(頻度)、実施主体、聴取内容等については、各分野において別に定める。