日時

平成25年6月26日 17:00~18:00

場所

六甲台第2キャンパス 瀧川記念学術交流会館 2階大会議室

出席者

  • 島村健 法学研究科教授・環境マネジメント検討WG座長
  • 瀬恒潤一郎 環境管理センター長
  • 國部克彦 経営学研究科教授・環境レポーティングWG座長
  • 他 教職員11名 (教職員計 14名)
  • 学生 7名

以下、敬称略で記載。

開会

[國部]

只今から環境報告書を読む会を開催します。

神戸大学が作成している環境報告書について、学生や教職員の方々と意見交換を行い、より良い環境、より良い環境報告書を作成していきたい。

1. 自己紹介

[國部]

経営学研究科の國部です。環境レポーティングWGの座長です。

[島村]

法学研究科で環境法の科目を担当しております島村です。環境マネジメント検討WGの座長です。

[瀬恒]

環境管理センターの瀬恒です。環境管理センターは、排水やエネルギーにも関わっています。環境管理センターでは、副センター長の勝田先生、センター教員の吉村先生を中心に、神戸大学環境学生調査隊の方々と、この1年間活動を行っています。

(教職員の自己紹介)

(学生自己紹介)

2. 環境報告書に関する意見交換

(1) 環境報告書の概要説明

[施設部担当者]

配付資料の概要説明。

環境報告書は主にWEB版をベースに作り、学内HPに掲載しています。このほかダイジェスト版を発行し、ダイジェスト版の英訳を学内英語版HPに掲載しています。

(2) 環境報告書に関する調査報告 (神戸大学環境学生調査隊)

写真
会場全体の風景

[國部]

昨年度、神戸大学環境学生調査隊が結成され、他大学の環境報告書や環境保全活動について調査に行ったので報告をお願いしたい。

[神戸大学環境学生調査隊]

神戸大学環境学生調査隊は、昨年10月に学生3名で結成し、この3月に開催された環境・施設マネジメント委員会で公認団体に認めていただき、継続して活動をしています。

昨年は、千葉大学へ調査に行き、エコプロダクツで他大学の取り組みを見せていただき、環境報告書に関する結果と提案をまとめました。

千葉大学の学生は、理念や環境報告書作成時のターゲットを明確にしています。環境報告書を作成する過程で、重要性の高い情報とそうでない情報を区別して、誌面の割合に差を付けています。教育や研究内容は、神戸大学と千葉大学の間の差はあまり無く、千葉大学では、学生がインタビュー形式で記事を作成しており、非常に分かりやすくなっていました。

神戸大学との1番の違いは、千葉大学は、環境報告書の作成に関して、取材から構成、原稿作成まで全て学生が行っていることです。

提案として、環境報告書のターゲットを大学の一番の構成員である学生にすること、ターゲットに伝えたい事を明確にして記載情報の必要性をクリアにすること、デザインに学生が関わることで読みやすく工夫すること、専門的内容は一般的な表現にして、専門的内容をHP等にリンクさせ、知りたい人だけが見るように工夫することなどが挙げられます。

提案のひとつである環境報告書の作成時から学生が参加し、読みやすいようにアレンジすることは、今年度から環境レポーティングWGに参画していることから、今後、学生に読みやすいようにアレンジしていきたいです。

これから環境管理センターの先生方にもサポートしていただきながら、公認団体として、学内学外の調査を行い、活動の輪を広げ、神戸大学の環境活動へフィードバックしていきたいと思います。

(3) 今後の環境に関する活動について

写真
発言する学生

[國部]

ターゲットの話があったように、学生の環境報告書についてのイメージやどう改善していけばいいか、意見をお聞きしたい。

[学生A]

環境報告書は、ホームページにあがっているとは思いますが、どこにあるのか探しにくい。また、環境報告書があることすら知らない学生がいる。実際どれくらい読まれているか。アクセス数などの分析を行ってはどうか。

[学生B]

環境について勉強していない学生や興味のない学生にも環境報告書が知れ渡るような工夫が必要と思う。

[学生C]

CO2の排出量などの情報が自分の生活にどう関わってくるのか伝わってこない。もっと学生目線に近づけた方がよいと思う。難しいかもしれないが、温室効果ガスで気温がどれだけ上がるかなどの身近な情報に置き換えてはどうか。

[学生D]

神戸大学の環境報告書は、千葉大学に比べて堅いイメージがある。デザインや内容を学生が興味を持つように強弱をつけるなど工夫してはどうか。学生が興味を持たないデータは最後のページにまとめるなど。

[教員]

一つのデータとして重要性はある。1つの報告書で大学がステークホルダーに伝えたい内容と学生用にアピールする内容の両方を満足するオールマイティのようなものは難しい。

[学生E]

パフォーマンスデータでは、毎年度の比較でエネルギーの削減努力をしたことが書かれているが、どれくらい努力しているのか全国平均などと比較すれば、分かりやすいのではないか。

[國部]

大学の環境報告書として、面積や学生数などの原単位で比較することは可能です。しかし、大学毎の特色もあり、単純に比較しにくいこともある。学生が興味を持つデータとして、神戸大学環境学生調査隊で調査をお願いしたい。

[学生F]

大学として、電気使用量の削減などの努力をしているが、環境について考えずに過ごしている学生が多いと思う。大学の考えや成果を学生に広めていければ、意識する学生が増え、さらに電気使用量が削減され、データも良くなるのではないか。

[教員]

例えば、神戸市の中にある事業所のどの位置に神戸大学があるのか、光熱水費がいくらなのかというデータがあってもいいかもしれない。

[島村]

学生をターゲットとして読みやすくする場合、他大学などとのデータ比較で、魅力的なコンテンツが何かを神戸大学環境学生調査隊の皆さんに検討していただいて、アドバイスをいただきたい。毎年同じ要素を載せることも大事ですが、教職員に無い視点が入ることで、環境報告書が良い方向にいくのではないか。

[瀬恒]

環境に関する一般的で基本的な内容をまとめた学生アピール用の小さなパンフレットなどがあれば、そこから専門性のある研究教育やパフォーマンスデータなどへ目が向いていくのではないか。

[教員]

他大学とのデータ比較について、非常に興味深いが、環境報告書は、成果を取りまとめて公表するものなので、それをする必要があるかどうか疑問が残る。パフォーマンスが主たるコンテンツであれば、そこまでのページ数を少なくすることもよいのではないか。

[國部]

大学は教育と研究を行うのが主たる業務なので、教育研究からどのように環境保全に貢献できているかが大学の環境報告書のメインになっている。環境パフォーマンスとのバランスは今後も考えていかないといけない大きな課題です。まずは、それぞれの項目を充実させることが重要と思う。

[教員]

一般廃棄物等は、数値やグラフよりも適切に処理をしていることが分かる図などを中心に記載した方が良いのではないか。

[教員]

大学は技術やシステムを開発することから間接的に環境改善に役立つところをアピールすることは非常に大事だと思う。学生にとって、他大学や全国平均とのデータ比較も興味を持つかもしれないが、学生が神戸大学で出すごみの量や電気の量など、自分がどれくらい環境にインパクトを与えているかが分かればもっと良いのではないか。

[職員]

昨年は、学生から意見があり、削減した電気使用量などを一般家庭に換算している。コスト的な表現も大学が頑張っていることが分かり、興味がわくのであれば、検討してもよいのではないか。

[学生A]

環境学入門のアンケートについて、実際には、学生が意識せずになんとなく回答して、結果と学生の意識には乖離があるのではないか。アンケート項目を「授業を受けてから環境報告書を読んだか」などで、するかしないかの項目にすれば、実際に近い結果が得られて、一つの指標になるのではないか。

[学生C]

廃棄物の項目にも、何%削減したかが記載された方がよいのではないか。目標があって、どういう活動の結果、この量になったかが記載できた方がよい。

[島村]

目標設定などは、今後、検討していかなくてはいけない内容です。エネルギー使用量削減も放置しておくわけにいかないので、環境税やインセンティブを与える仕組みを考えたい。学生の皆さんからもアドバイスをいただきたい。

[教員]

紙ごみについては、会議資料を電子データで回覧するなどで、印刷物を減らすよう事務的な努力はされてきている。

[学生G]

「環境報告書を読む会」の学生参加者が少ないので、もっと多くする工夫が必要ではないか。

[教員]

開催時期を後期にしてはどうか。後期は、環境学入門もあり、新しい環境報告書2013もできている。

[國部]

総合大学として、複数学部の学生や環境系サークルの学生にきていただきたい。今後検討していきたい。

閉会

[國部]

皆様からいただいた貴重な意見は、環境報告書へ反映させるよう検討いたします。次回開催予定の環境レポーティングWGは、学生の皆さんに参加していただきたいので、後日メールにて案内をいたします。ご都合のつく方はぜひご参加ください。

これで環境報告書を読む会を終了します。