本研究は、放課後等デイサービスを多数運営するデコボコベース株式会社との共同研究として実施されました。本研究は、放課後等デイサービスで実施可能な感情調整を支援するプログラムを作成し、放課後等デイサービスでの実施可能性を確認するとともにその予備的な効果の確認を試みたものです。プログラムは、筆者らがこれまでに作成していた発達障害児向けの感情調整プログラムPEACE(Program of Emotional Awareness for Child Empowerment)を改良し、実施の容易さおよび支援の均質性を担保するため、スライド資料に音声をつけたものを補助教材として利用するものでした。加えて、シナリオ、ワークシート、ホームワーク、保護者向け資料を提供し、これらに基づき、放課後等デイサービスのスタッフが10セッションからなるプログラムを実施しました。
介入群13名に対してプログラムを実施し介入前、介入後、および3ヶ月後の追跡調査を行いました。対照群32名に対しては、調査のみを実施しました。効果指標には、保護者およびスタッフ評価による情緒的・行動的困難性の程度、問題行動の程度、社会的スキルを用いました。プログラム実施状況や欠損値等の理由で最終的な分析対象は介入群において7名、対照群において29名でした。
結果として、プログラムに参加した者全員が全10回のセッションを完了しており、本プログラムは放課後等デイサービスにおいて実施可能性が高いことが示されました。また、保護者の評価において情緒的問題の事後および追跡調査での有意な効果がみられ、多動・不注意においても追跡調査での有意な効果がみられました。総困難性得点においては事後の有意な効果がみられました。一方でスタッフの評価では一貫した変化はみられませんでした。
本研究成果は2026年5月7日付で、Journal of Developmental and Physical Disabilitiesに掲載されました。
研究グループ
石本雄真(鳥取大学)、山根隆宏(神戸大学)、野上慶子(奈良女子大学)、デコボコベース株式会社
論文情報
タイトル
DOI
10.1007/s10882-026-10066-8
著者名
Yuma Ishimoto, Keiko Nogami, & Takahiro Yamane
掲載誌
Journal of Developmental and Physical Disabilities
掲載日
2026年5月7日
報道問い合わせ先
神戸大学企画部広報課
E-Mail:ppr-kouhoushitsu[at]office.kobe-u.ac.jp(※ [at] を @ に変更してください)


