神戸大学大学院経済学研究科の David Wolf(デイビッド・ウルフ)准教授と京都大学大学院地球環境学堂/大学院経済学研究科(併任)の竹内憲司教授の研究グループは、ハリケーン被災後に撮影された高解像度のドローン・衛星画像をオブジェクトベース画像解析(OBIA)で解析し、損傷した屋根を応急的に覆う「ブルーシート」の分布とその面積から、住宅の風害の有無と深刻度を広い地域にわたって特定する新しい手法を開発しました。
この手法を、2017年に米国フロリダ州を襲ったハリケーン・イルマに適用し、2001年に大幅に強化された「フロリダ州建築基準(2001 FBC)」が住宅の風害をどれだけ減らしたのかを検証しました。その結果、新基準に準拠して建てられた住宅は、風害を受ける確率が約22%低く、被害が生じた場合でもその深刻度が約27%抑えられていることが分かりました。
さらに、補修されないまま売却された被災住宅は、被害を受けていない住宅に比べて価格が13.3%(約29,400ドル)低く、売却そのものも難しくなっていました。本研究は、建築基準の強化が風害の軽減と気候変動への適応に有効な政策手段であることを、大規模なデータに基づいて実証したものです。
本研究成果は、米国経済学会が発行する国際学術誌 American Economic Journal: Economic Policy の2026年8月号(Vol. 18, No. 3)に掲載されました。

論文情報
タイトル
"Are Building Codes an Effective Adaptation to Wind Risk? Evidence from Remotely Detected Blue Tarps"
(建築基準は風害への適応策として有効か?ドローン画像から解析したブルーシートによる検証)
DOI
10.1257/pol.20240544
著者
David Wolf(神戸大学大学院経済学研究科 准教授)、Kenji Takeuchi(竹内憲司/京都大学大学院地球環境学堂/経済学研究科(併任) 教授)
掲載誌
American Economic Journal: Economic Policy(2026年8月号, Vol. 18, No. 3)
報道問い合わせ先
神戸大学企画部広報課
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