神戸大学は兵庫県と公益財団法人兵庫県国際交流協会の協力を得て、兵庫県ワシントン州事務所内に「神戸大学シアトル拠点(KULOS)」を2020年4月1日開設しました。10月31日、新型コロナウイルス感染症対策により延期していたシアトル拠点開設式典を兵庫県ワシントン事務所が入居するSafco Plazaで開催しました。

開設式典には、兵庫県ワシントン州事務所の小林潤子所長をはじめ、中村保本学理事・副学長(国際連携推進機構長)、白井康仁国際連携推進機構アメリカ部門長、河合成雄グローバル教育センター長、川井浩史内海域環境教育研究センター特命教授、井村隆国際部長ほかが出席しました。

翌11月1日には、第2回KULOSシンポジウム" The 2nd KULOS Symposium ‘Ocean Research and its Application for a Sustainable Society’をGraduate Hotel Seattleで開催しました。シンポジウムに先立ち、同会場でネットワーキングランチを行い、在シアトル総領事館の稲垣久生総領事、久元喜造神戸市長、神戸市ビジネスミッション訪問団の一行、ワシントン大学関係者、日系現地企業の方々など50名以上が参加し交流を深めました。

         

シンポジウムは、白井康仁アメリカ部門長が司会を務め、中村保理事・副学長とワシントン大学Mari Ostendorf副学長の挨拶の後、「持続可能な社会における海洋研究とその応用」をテーマに、 Christopher Bassett博士(Applied Physics Laboratory at the University of Washington)による海洋エネルギー資源の概要と利用技術の開発やワシントン大学における海洋エネルギーの取組についての発表、川井浩史特命教授によるブルーカーボンを目的とした海藻・海草育成における洋上風力発電施設を利用することの有用性についての発表がありました。続いて、Simon Geerlofs氏(Washington Maritime Blue)から非営利団体であるWashington Maritime Blueの取組や目的についての説明があり、同じくWashington Maritime Blue のRachel Aronsonプログラム・ディレクターにより、ワシントン州海域で激減しているシャチの脅威となっている水中騒音に関して、大型商業船舶がシャチに与える音響的な影響を軽減することを目的に作られたThe Quiet Sound programについての発表がありました。

本シンポジウムのテーマである「持続可能な社会における海洋研究とその応用」について、参加者がさまざまな角度から考える良い機会となりました。

シンポジウムの閉会にあたり、中村保理事・副学長は、神戸市とシアトル市の姉妹関係が65周年という記念すべき年に、神戸市長を始め神戸市関係者や在米企業、ワシントン大学やシアトルの研究機関等から幅広くご参加をいただき、成功裡に終えることができたことに感謝の意を表すとともに、本学は、シアトル拠点を足がかりに、ワシントン大学をはじめとする米国の教育研究機関との強いパートナーシップを目指し、グローバル化する世界の中で普遍的な課題に取り組む高等教育研究機関として重要な役割を担っていくとの決意を述べました。

     

また今回の訪米では、中村保理事・副学長、白井康仁アメリカ部門長、河合成雄グローバル教育センター長、井村隆国際部長がワシントン大学を訪問し、学術交流協定の拡充、学生及び教職員の交流推進について相互協力を確認しました。

本学は、シアトル拠点を積極的に活用し、ワシントン大学をはじめとする北米の大学とのさらなる連携強化を図っていきます。

 

(国際部国際企画課)