2023年3月2日、神戸大学統合研究拠点コンベンションホールにて、神戸大学先端バイオ工学研究センターシンポジウム「イノベーション創出に資する先端バイオ工学」を開催しました。

国内のバイオ工学研究の最前線に立つ研究者等を交え、バイオ工学分野の最新状況についてご報告いただきました。当日は、大学・企業関係者、学生など対面・オンライン併せて210名に参加いただき、この分野の関心の高さが窺える会となりました。

左から蓮沼誠久センター長、西田敬二教授 関山和秀氏、古賀淳一氏

シンポジウムでは、蓮沼誠久センター長の開会の挨拶およびセンターの紹介に続いて、前半では、先端プラットフォーム技術開発部門長の西田敬二教授から「先端バイオ工学を加速するプラットフォーム技術」と題して「切らないゲノム編集®」技術の応用最前線の状況を、Spiber株式会社の関山和秀取締役兼代表執行役から「Contribute to Sustainable Human Well-being」と題して同社の革新的素材開発の現状を、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 先進的研究開発戦略センター(AMED SCARDA)の古賀淳一プロボストから「ワクチンの研究開発支援プログラムの現状とバイオの歴史に思うところ」と題して我が国におけるバイオ医薬品開発の歴史とそこから見た今後の展望等を、それぞれご講演いただきました。

左から國澤純氏、冨重圭一教授、新井凌氏、近藤昭彦 副学長

後半では、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センターの國澤純センター長から「腸内環境研究から創出するワクチン・創薬・食品・ヘルスケア研究の新展開」と題して腸内環境を基軸にした健康科学の発展や新規ヘルスケア産業創出の可能性について、東北大学大学院 工学研究科応用化学専攻の冨重圭一教授から「固体触媒と水素を用いたバイオマス由来化学品の合成」と題して同研究室が開発した高効率な脱酸素反応をもたらす固体触媒等について、株式会社みずほ銀行 産業調査部 次世代インフラ・サービス室戦略プロジェクトチームの新井凌インダストリーアナリストから「バイオものづくりへの挑戦~バイオファウンドリの成功戦略」と題して、先行する米国のバイオファウンドリ企業や半導体ファウンドリ業界の分析から、バイオ産業のプラットフォーマーとして生き残るための戦略についての提言等を、それぞれご講演いただきました。

最後に、近藤昭彦副学長が閉会の挨拶を述べ、盛況のうちに幕を閉じました。会場からは講演者への質問も多数いただき、今後のバイオものづくりへ対する関心と期待を感じる有意義な機会となりました。今回のシンポジウムを契機に、産学官連携による先端的な研究開発の推進が期待されます。

(先端バイオ工学研究センター)