2024年6月28日(金) 近畿⼤学×神⼾⼤学SDGsフォーラム (第9回神⼾⼤学SDGsフォーラム)を開催しました。
第2回となる今回のフォーラムでは、「TEAM EXPO 2025」テーマセッションとして「共創によるアイデアの創出と地域連携」を⼤テーマに、神⼾市副市⻑黒田慶⼦⽒を迎え「⾥⼭環境」 を議題としてディスカッションを⾏いました。
後日、公式YouTube(神戸大学公式チャンネル[Kobe University])でアーカイブ配信予定ですので、見逃した方はぜひそちらをご覧ください。
フォーラムはオンライン形式(Zoom)で、以下のプログラムに沿って行われました。
黒田 慶子 副市長(神戸大学名誉教授)
「里山の存続に必要な「資源循環」という視点」
日本の里山の現状と問題点から「SDGsの観点での里山管理のありかた」について、現在は輸入がメインになってしまっているが、資源利用をどのように再開すれば日本の森林が健康に持続するのか、経済および生業(なりわい)としての資源利用と管理について詳しくお話いただきました。
井上 昭夫 氏(近畿大学農学部環境管理学科教授)
「竹-里山の厄介者︖それとも宝物︖-」
里山の構成要素の1つである竹林は近年管理放棄され分布拡大することで、厄介者扱いされがちですがその竹林を宝物に変えるための方策と課題について解説いただきました。
佐藤 真行 氏(神戸大学人間発達環境学研究科教授)
「里山がもたらす生態系サービスの評価と保全」
都市化や少子化が進む中、都市域において自然体験をする機会やひとの割合が減り、里山のような都市近隣に存在する自然の価値がじゅうぶんに理解されなくなったり、都市型のライフスタイルからくるニーズとのギャップが拡大する可能性があるということを国際的な生態系保全政策の動向を踏まえながら、環境経済学の観点から里山環境の保全についてお話いただきました。
内山 愉太 氏(神戸大学人間発達環境学研究科助教)
「都市地域連携による森林の循環利用と環境格差の是正、「シェア」社会への展望」
森林環境税をはじめとした制度や関連する活動により、都市地域の双方のリソースを活用しつつ互いのニーズに対応する方向性が森林利用等の分野で増えつつある中で、様々な人が多様な環境・空間を身体化できる状況を形成する取り組みとしての古民家リノベーションや、「シェア」社会の展望についての示唆をいただきました。
松崎 裕之 氏(竹中工務店 参与 木造木質建築統括/日本ウッドデザイン協会 代表理事)
「中高層木造建築の現在地とこれから」
中高層の木造建築が国内外で建設され大きな潮流を生みだしている中、現在の木造建築への取組み、国内外の高層木造建築事例、森林グランドサイクル活動などを紹介いただきました。
パネルディスカッション・参加者との意見交換
登壇者:黒田 慶子氏(神戸市副市長/神戸大学名誉教授)
井上 昭夫 氏(近畿大学農学部環境管理学科教授)
佐藤 真行 氏(神戸大学人間発達環境学研究科教授)
内山 愉太 氏(神戸大学人間発達環境学研究科助教)
松崎 裕之 氏(竹中工務店 参与 木造木質建築統括/日本ウッドデザイン協会 代表理事)
ファシリテーター:喜多 隆(神戸大学SDGs推進室長・副学長)
岩前 篤(近畿大学副学長)
事前アンケートや視聴者からの質問をもとにそれぞれの議題において活発な議論が取り交わされました。
今後もSDGs推進室では、このようなフォーラムを定期的に開催していく予定です。
関連リンク
(SDGs推進室)