関西電力株式会社との共同企画として実施している連続講座の第2回は、11月4日、同社大飯発電所(福井県おおい町)での現地見学を行い、23名が参加しました。大飯発電所1、2号機の原子炉核用容器は、1970年代に当時世界最新鋭の方式で設計されたものですが、東日本大震災後の新規制基準施行を受けて2018年に廃炉の決定がなされました。約30年かけて解体・撤去するための廃止措置工事が進められており、現在は3、4号機のみが稼働しています。
 現地へ向かうバスの中では、現在国で見直しの議論が進められているエネルギー基本計画における原子力発電の位置づけや、中間貯蔵・再処理を含む原子燃料サイクル推進のための課題、諸外国における原子力政策の比較などをインプットしました。とくに、東日本大震災以降に導入された新規制基準をクリアするため、地震や津波への対策だけでなく、火山や竜巻、森林火災といった大規模自然災害やテロなどの予測困難な事態をも考慮したさまざまな対策に取り組んでいることが、映像を通じて紹介されました。

原子力研修センターでの解説の様子 
大飯発電所ビジターハウス前で 


 現地では、PR施設であるエルガイアおおいで原子力研修センターなどを見学したあと、発電所構内を視察しました。厳重なセキュリティ対策の中、原子炉格納容器やタービン建屋、燃料取扱室をバスの中からVRを用いて映像説明を受けたほか、原子力発電所にとって不可欠な水を供給する海水ポンプや取水口、防波堤や免振事務棟など災害時にも重要な役割を果たす施設の整備状況などを見学しました。見学後は、受講学生の皆さんから多くの質問が出され、関西電力社員の方々から詳細な解説をしていただきました。
次回は、大阪府・堺港のLNG(液化天然ガス)を燃料とする火力発電所と、隣接する液化水素プラントの現地見学を行い、エネルギーに関する学びをさらに深めていきます。
 

(SDGs推進室)