2024年2月5日、神戸大学百年記念会館六甲ホールにて、第2回神戸大学先端バイオ工学研究センターシンポジウム「バイオとデジタルの融合によるバイオものづくりの革新」を開催しました。
同センターは、2023年4月、バイオものづくり分野における研究力を強化するため、バイオ×デジタル推進室をコアとする1室4部門に改組しました。今回のシンポジウムでは、新体制となる各部門を紹介するとともに、国内のバイオ工学研究の最前線に立つ研究者等を交え、バイオ工学分野の最新状況についてご報告いただきました。大学・企業関係者、学生など、約150名に参加いただき、この分野の関心の高さが窺える会となりました。
シンポジウムでは、蓮沼誠久センター長の開会の挨拶およびセンターの紹介に続いて、前半では、理化学研究所生命機能科学研究センターバイオコンピューティング研究チームの高橋恒一チームリーダーから「ロボティック・バイオロジーによる生命科学の加速」と題してAIロボット駆動型科学の最新の状況を、東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻/バイオエンジニアリング専攻の宮田完二郎教授から「高分子ナノ医薬による生体内バリアの克服」と題して高分子材料を基盤とする核酸搭載ナノ医薬開発の近況等を、東北大学大学院工学研究科の梅津光央教授から「機械学習が導くタンパク質の加速進化」と題して、機械学習と連動した進化分子操作による酵素や抗体の機能・特性を加速進化させた研究について等、それぞれご講演いただきました。
後半では、大阪大学基礎工学研究科附属太陽エネルギー化学研究センターの中西周次教授から「電気化学-バイオ融合によるCO2の資源化~原料やタンパク質の生産~」と題して電気化学プロセスと生物プロセスを相補的に備える「電気化学―バイオ融合プロセス」の開発及び最新研究成果について、株式会社シンプロジェンDNA合成ビジネスユニットの林謙太郎ユニット長から「バイオエコノミー社会の実現に向けたバイオセキュリティの新局面」と題して、バイオテロへの脅威に対する米国を中心としたバイオセキュリティに関する最新動向等を、それぞれご講演いただきました。
最後に、近藤昭彦副学長が閉会の挨拶を述べ、盛況のうちに幕を閉じました。会場からは講演者への質問も多数いただき、今後のバイオものづくりへ対する関心と期待を感じる有意義な機会となりました。今回のシンポジウムを契機に、バイオ工学分野のさらなる先端的な研究開発の推進が期待されます。
(先端バイオ工学研究センター)