神戸大学大学院工学研究科の寺田努教授、大学院法学研究科の砂原庸介教授、重村壮平助手ら研究グループと楽天モバイル株式会社 (以下「楽天モバイル」) は、5Gネットワークと人の動作を検出するセンシング技術を活用し、イベント会場の自然な混雑緩和や、遠隔地と会場をリアルタイムで繋ぐコミュニケーション手法に関する研究開発・実証研究を開始します。

実証研究にあたっては、楽天グループのプロサッカーチーム「ヴィッセル神戸」のホームスタジアムである「ノエビアスタジアム神戸」を活用し、Withコロナ時代に求められる最適なイベント開催手法の開発を目指します。

研究概要

新型コロナウイルスの世界規模での蔓延から三密を避けた行動が求められており、スポーツ観戦などの多人数が一堂に会するイベントにおける混雑緩和は、今後のスポーツ・エンタテインメントやその地の行事にとって最重要課題となります。

このような状況の下、本研究チームはスタジアム体験における自然な混雑緩和を目指し、(1) スタジアムでのイベント開催時における混雑緩和を、参加形態の分散による効果と帰宅を分散させることによる効果に分け、5Gネットワークを用いた行動センシングなどを活用した最適な観客向けシステムの構築を図ります。このシステムの構築のため、イベント観戦中のユーザーモーションセンサの情報取得による行動分析、イベント終了後の周辺地域情報や帰路情報、関連コンテンツの提示による誘因効果を用い、自然な分散帰宅を実現する仕組みの生成を目指します。また、(2) 遠隔地とスタジアムをリアルタイムで繋ぐコミュニケーション手法の研究により、家に居ながらスタジアムの観客と連動して臨場感を得られる体験手法についても検討します。

本研究は、神戸大学のセンシング技術を用いた行動認識と、楽天モバイルの「5Gネットワーク」を利用し、ウェアラブルコンピューティングの専門チームが協働することで、Withコロナ時代に求められる先進的な研究開発を進め、未来社会の変革とさらなる発展へ寄与することが期待されます。

研究助成

本共同研究は、神戸市の研究活動経費助成プロジェクト「大学発アーバンイノベーション神戸 (令和2年度)」に採択されました。

期間

2020年9月14日~2022年3月31日

参考

神戸市「大学発アーバンイノベーション神戸 ~新型コロナウイルス感染症の感染拡大が生み出す課題とWithコロナ社会への対応~」に本学から10件が採択されました

関連リンク

研究者