神戸大学大学院工学研究科の竹内俊文教授を研究開発代表とするグループによる「高特異度・高感度インタクトSARS-CoV-2センサの開発のための基礎研究」が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED) の「ウイルス等感染症対策技術開発事業 (基礎研究支援)」に採択されました。

採択課題

高特異度・高感度インタクトSARS-CoV-2センサの開発のための基礎研究

研究開発代表者
神戸大学 大学院工学研究科応用化学専攻・教授 竹内 俊文
分担研究者
神戸大学 大学院医学研究科・特命教授 谷野 裕一
東北大学 大学院工学研究科・教授 梅津 光央
関西学院大学 理工学部・教授 田和 圭子
大阪大学 大学院医学系研究科・准教授 眞田 文博
システム・インスツルメンツ株式会社・取締役社長 濱田 和幸

概要

本研究は、独自のダイナミックモールディング法 ( J. Am. Chem. Soc., 2020, 142,6617 ) により、インタクトのSARS-CoV-2を最小限の前処理であらゆる体液試料から検出可能なセンサを開発するための基礎研究を行うものです。

本センサの応答面は、ダイナミックモールディング法によって形成されたナノ空孔を有し、その空孔のみにSARS-CoV-2に対する分子認識素子と、結合を読み出すための蛍光レポーター分子を導入することで、SARS-CoV-2の高感度検出を達成します。分子認識素子は、His-tagを介して空孔内の導入されるため、His-tagが修飾されている分子認識素子なら、全て導入・脱離・交換可能で、本センサには多様な認識能を付与できます。本センサの開発は、COVID-19の早期発見や治療効果の確認、感染第2波や変異SARS-CoV-2への対策に効果を発揮することが期待されます。

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