神戸大学大学院工学研究科の竹内俊文教授を研究開発代表とするグループによる「癌・ウイルス等の簡便、迅速、超高感度な検査・分析プラットフォームテクノロジーの開発」が、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) の「研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム (START)」に採択されました。第43回 神戸大学長定例記者会見 (2020年5月22日) で紹介した「涙液を用いた新しいがん検出技術:TearExo®の開発」の実用化が大きく加速されます。

採択課題

癌・ウイルス等の簡便、迅速、超高感度な検査・分析プラットフォームテクノロジーの開発

研究組織
大学院工学研究科応用化学専攻   教授 竹内 俊文  (研究開発代表者)
医学研究科先進的がん医療・研究推進学分野  特命教授 谷野 裕一
大学院工学研究科応用化学専攻   教授 南 秀人
大学院工学研究科応用化学専攻   特命准教授 砂山 博文

概要

本事業では、TearExo法 (注) によって、涙、血液、唾液等の体液中に含まれる乳癌細胞から放出されるエクソソームを、高感度、低侵襲、簡便かつ低コストで検出できるリキッドバイオプシー法を開発し、癌の早期発見、転移可能性などの検査キットを提供し社会実装していきます。

事業化に向けて、チップの大量生産技術の研究と確立、分析装置の自動化・高速化・小型化を行い、乳癌の臨床データを取得・検証して検査法を確立します。さらに本技術をプラットフォームテクノロジーとして、乳癌以外の癌での可能性の検証、新型コロナウイルスの感染の抗原検査法等の開発、検査キットの製造販売及びライセンスビジネスを行うベンチャーを起業していきます。


(注) TearExo法
世界初の化学ナノ加工技術を用い、微量な涙液等からがんの有無を正確に判断できる指標となるがん細胞由来のエクソソームを超高感度で測定するものであり、従来のバイオマーカーはがんと炎症の見分けがつかないが、TearExo法はがん細胞由来のエクソソームを破壊せずに高感度で高速に検出できるため、実現できればがんの早期発見につながります。

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