本学理学研究科惑星学専攻 野崎達生 客員准教授らの研究グループは、2021年に伊豆諸島・青ヶ島沖の海底熱水サイトの鉱石中に高濃度の金が含まれていることを確認し、現在、海底調査と熱水から金を回収する技術開発を進めています。

このことが、5/29(日)のNHK「おはよう日本」において、『ゴールドラッシュ おきるか 深海に眠る金鉱脈』として紹介されました。

研究の概要

青ヶ島の東方12kmに位置する東青ヶ島海丘カルデラ熱水域は、2015年に東京大学の研究グループによって発見された比較的新しい熱水サイトです。さらに、2016年に同じく東京大学のグループから鉱石中に高濃度の金が含まれていることが報告されました。しかし、鉱石の観察・記載に関する論文 (Iizasa et al., 2019_Mineralium Deposita) が報告され始めたばかりの段階で、詳細な金の濃集機構はいまだ明らかになっていません。そこで、野崎達生客員准教授らの研究グループは、2021年から同熱水サイトの系統的調査を開始しました。鉱石の観察・記載に加えて、流体包有物分析、同位体分析、鉱物の年代決定、熱水の温度測定・化学分析、大型生物・微生物の記載、地球物理データの取得などを行い、多角的に金の濃集機構を解明することを目指しています。

また、熱水中に含まれる金を原始的な藻の一種である「ラン藻」を用いて、高効率で回収する技術開発を民間会社と共同で進めています。2021年8~9月に東青ヶ島海丘カルデラ熱水域において行われた調査航海 (KS-21-20航海) において、ラン藻をシート状に加工した金の吸着材を自然熱水孔上に設置しています。この吸着材は、2022年9月に実施される調査航海において回収される予定です。

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(理学研究科)