神戸大学とタリン大学(エストニア)の間で締結された欧州連合の助成事業であるErasmus+に基づき、Heli Kaldasタリン大学ハープサルカッレジ長とTiina Tambaum同カレッジ研究員が5月10日から17日に研究交流のためにウェルビーイング先端研究センターを訪問しました。

 エストニアは、フィンランドからバルト海を挟んで対岸に位置し、世界でもっともデジタル活用が進む国として知られております。滞在中は、片桐恵子ウェルビーイング先端研究センター長が中心となり、学術研究推進機構学術研究推進室の支援を受けて、学術セミナーの開催、研究プロジェクトへの訪問を実施し、両国の高齢者とデジタル技術と関係について活発に研究討論を行いました。

 

1.近藤徳彦人間発達環境学研究科長表敬訪問 (5月11日)

Kaldasハープサルカッレジ長から高齢化社会におけるコミュニティに関する教育カリキュラムが新しく始まったことの紹介があり、近藤人間発達環境学研究科長からは学生交流への発展への期待が述べられました。

 

(写真左端から、近藤人間発達環境学研究科長、Kaldasタリン大学ハープサルカッレジ長、Tambaum同カレッジ研究員、片桐ウェルビーイング先端研究センター長、安野恵理学術研究推進機構学術研究推進室政策研究職員)

 

2.神戸大学コグニケアプロジェクト訪問 (5月12日)

 一行はコグニケアの運動教室を体験し、古和久朋保健学研究科教授から、コグニケアプロジェクトの紹介を受けました。コグニケアとは、認知症や生活習慣病の「予防」に良いとされる研究成果をもとに神戸大学が開発した、「頭と体の運動教室」+「健康づくりセミナー」+「健康状態の見える化」をパッケージにしたヘルスケア・サービスです。

 

     (左端:古和保健学研究科教授)           (コグニケア運動教室(深江教室))

 

3.中村匡秀数理データサイエンスセンター副センター長・システム情報学研究科教授研究室訪問(5月15日)

 中村数理データサイエンスセンター副センター長の研究室では、中村副センター長から高齢者を支えるICT・IoTを中心とした先端技術(ジェロンテクノロジー)の開発に関する研究の紹介があり、研究室で開発されたバーチャルエージェント’メイちゃん‘の実演がありました。片桐ウェルビーイング先端研究センター長の研究室の学生3名が議論に加わりました。

 

 

4.ウェルビーイング先端研究センター国際研究セミナー開催 (5月15日)

 ウェルビーイング先端研究センターによりオンラインによる国際研究セミナーを開催しました。セミナーでは、片桐ウェルビーイング先端研究センター長の司会のもと、Tambaum研究員によるエストニアにおける高齢者とデジタル技術について講演が行われました。講演後は、打田 篤彦人間発達環境学研究科助教と、Heli Kaldasタリン大学ハープサルカッレジ長が、ディスカサントとして参加し、本学の学生や研究者などのセミナー参加者と、高齢者のデジタルスキル習得・向上の必要性やその方法など、日エストニア両国における高齢化社会におけるデジタル化の課題についての活発な議論が行われました。

 

 

      (当日プログラム)               (セミナーの様子)

 

 一団はその他、滞在中には芦屋市シルバー人材センターや兵庫県いなみ野学園(高齢者大学)などを訪問し、日本における超高齢社会やアクティブエイジングにむけた取り組みを学びました。訪問中に、具体的な共同研究にむけた協議を開始しており、ウェルビーイング先端研究センターが中心となり、タリン大学との学術交流の発展が見込まれます。

 

(ウェルビーイング先端研究センター、学術研究推進機構学術研究推進室)