神戸大学に今春開設された「システム情報学部」の設置記念式典・祝賀会が2025年6月27日、神戸大学百年記念館「六甲ホール」と瀧川記念学術交流会館で開かれました。藤澤正人学長、臼井英之システム情報学部長ら関係者、来賓約140人が出席し、新しい学部のスタートに相応しい盛大な式典となりました。

同学部は、AI、データサイエンス、スーパーコンピュータ、システム科学などSystem Informatics(システム情報学)に関する専門的な知識・技術を究めるとともに、それらを俯瞰的に組み合わせて、社会のさまざまな問題解決や新しい価値の創造に貢献できる能力を身に付けた高度情報専門人材を育成することを目的にしています。工学部から情報知能工学科を独立させて発展的に改組した同学部の設置により、本学は今春から同時期に設立された医学部医療創成工学科も含めて、11学部15研究科1研究所になりました。

同学部と大学院「システム情報学研究科」との一体的な運用により、独立性が高く機動的な「システム情報学カレッジ(College of System Informatics(CSI))」という仮想的な教育環境を構築します。この中で、(1) 入学直後から専門科目を学び、その後で教養教育の幅広い学びに取り組む「反転教養教育」、(2) 意欲ある優秀な学生は、学部入学から最短6年間で博士の学位が取得できる「早期卒業・早期学位取得」、(3) 大学院生と一緒に研究プロジェクトを実践できる異分野共創C3(Co-Creation and Collaboration)ユニット教育プログラムなどを展開します。4月には、第1期生となる159人を迎えて、現在、教育が進んでいます。

記念式典では、藤澤学長が「我が国全体として、IT・AI人材の圧倒的な不足や、総合知の脆弱化は深刻な問題とされており、総合知に優れた新たな価値を生み出すことができるデジタル人材の育成が社会的に強く求められています。大学と大学院が一体的に『システム情報学』の教育研究を推進する体制が整い、シームレスかつ効果的に高度情報人材の育成を加速させることが可能になりました。本学では今回のシステム情報学部の設置を産官学連携の好機と捉え、これまで以上に神戸市を中心に兵庫県の企業や、自治体などと積極的に連携することにより、これらの社会的要請に応える所存です」と式辞を述べました。来賓として出席の伊藤学司文部科学省高等教育局長、齋藤元彦兵庫県知事、久元喜造神戸市長から祝辞があり、その後、臼井学部長によるシステム情報学部の概要説明がありました。

続いて、特定国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センターの上田修功副センター長が登壇し、「AIが拓く未来社会と大学の役割」と題した記念講演を行いました。

式辞を述べる藤澤正人学長
伊藤学司文部科学省高等教育局長
齋藤元彦兵庫県知事
久元喜造神戸市長
概要説明をする臼井英之システム情報学部長
記念講演をする理化学研究所革新知能統合研究センターの上田修功副センター長

 (システム情報学部、総務部広報課)