教養教育院開講の高度教養科目「複言語共修セミナー:外国語としての日本語」(主担当:村山かなえ異分野共創型教育開発センター特命講師・副担当河津基グローバル教育センター特命講師)において、チュラロンコン大学文学部東洋言語学科ユッパワン・ソーピットヴッティウォン文学部准教授の協力を得て国際共同授業を実施しました。

当該授業科目は、多文化理解を考える手がかりとして、外国語としての日本語を多角的に見つめることにより、受講生が自身の言語学習活動を省察すると同時に、異なる言語や文脈における物事への洞察力を涵養することを目的としています。当該授業は、国内学生と交換留学生を含む留学生が共に学ぶ国際/多文化間共修授業として2023年度より開講しています。

第3回の授業日となる6月26日、チュラロンコン大学と神戸大学をオンラインで結び、特別講義 Overview of Japanese language education in Thailand を英語で実施しました。ユッパワン准教授は講義において、タイの教育システムや第二外国語教育が広く普及している社会的背景について説明しました。また、第二次世界大戦後に本格化したタイにおける日本語教育の歴史、日泰間の経済的結び付きや日本のポピュラーカルチャーの普及についても紹介し、これらの要因がタイにおける日本語学習者の継続的な増加に繋がっていると説明されました。このほか、タイで最も歴史のあるチュラロンコン大学において、どのような日本語教育が展開されているのか、また学生達の日本語学習の動機やキャリア形成などについても解説されました。

受講生からは、「タイは教育が進んでいないと思い込んでいて、そのイメージを持った状態で講義を聞いたので驚く部分が多かった。イメージが先行して硬い頭で話を聞こうとしていたのではないかと反省した。」というコメントや、授業名にある「外国語としての日本語」を強く意識するきっかけになったというコメントが寄せられました。

ユッパワン准教授は2004年から2005年にかけて本学の留学生センター(現グローバル教育センター)にて、日本語・日本文化研修留学生として学んだ神戸大学の同窓生です。今回の国際共同授業の実施を契機に、今後さらに両大学の研究・教育交流が促進されることが期待されます。

タイからオンラインで話すユッパワン先生
オンラインクイズで上位スコアを得て喜ぶ学生

 (大学教育推進機構異分野共創型教育開発センター・グローバル教育センター)