神戸大学は8月27日、株式会社シュゼット・ホールディングス(本社・西宮市)と包括的な連携協定を結び、本学産官学連携本部ダイセルOIホールで締結式と記者会見を開きました。本学の包括連携企業は、同社が加わったことで21社になりました。
芦屋市で1969年、喫茶店「アンリ・シャルパンティエ」として創業した同社は、喫茶・テイクアウトの生菓子販売を手掛け、グループ会社は「アンリ・シャルパンティエ」(101店舗)、「C3(シーキューブ)」(45店舗)、「カサネオ」(1店舗)の洋菓子ブランド、パン製造販売の「バックハウスイリエ」(4店舗)など6社です。2014年にはシンガポールにも出店、ユニバーサルブランドの展開を目指しています。
包括連携では、本学と同社が相互に協力し、円滑かつ効率的な産学連携を推進することで、阪神間を中心とした洋菓子文化の振興を念頭に、地域産業の活性化を目指します。連携内容は、①共同研究、受託研究などの企画・実施、②人材育成、③その他の産学連携の推進―の3項目です。本学の健康科学・食品科学・スポーツ科学で培った研究力と、同社の焼き菓子の技術と理念を生かし、共同研究や人材育成を通じて、ひとを幸せにするスイーツを科学する「スイーツウェルネス」を推進します。
手始めに、医学部附属病院が今年8月から、糖尿病など食事制限のある患者のストレスを軽減するため、健康的でおいしい病院食のお菓子メニューの共同開発に取り組んでいます。既に試作段階に入っており、附属病院での臨床研究を準備中です。お菓子の材料には、病院食の食べ残しを使った肥料を利用し農学研究科附属食資源教育研究センターで生産された無農薬米「ヒノヒカリ」「にこまる」の玄米米粉を使用しています。
このほか、農学研究科が、附属食資源教育研究センターや地域連携研究センターで生産した作物を取り入れ、同社監修の下、本学学生が焼き菓子開発の実習を行うことも検討しています。また、同社でのインターンシップを行い、人材の交流を活発化、阪神間のお菓子文化の発展を支える人材の育成をバックアップします。
締結式には、神戸大学から藤澤正人学長、河端俊典理事・副学長、農学研究科長の白井康仁教授、医学部附属病院栄養管理部長の高橋路子特命講師、シュゼット・ホールディングスから蟻田剛毅代表取締役社長、大原誠コーポレート戦略本部総務人事部長、倉持邦人総務人事部付神戸大学共同研究プロジェクト担当顧問が出席しました。藤澤学長と蟻田社長が挨拶に立ち、大学、同社の現状や今後の共同研究などの取り組みについて紹介し、協定書にサインをしました。
藤澤学長は「シュゼット・ホールディングス、神戸大学ともに、新しいことへの挑戦を続け、さまざまな課題へ取り組んでいます。両者が連携することで、地域や社会の課題を抽出し、それを解決するために相互の強みを生かして補完しあうという、企業と大学のパートナーシップが形成されることを確信しております。今回の包括連携協定によって窓口が一元化され、各分野で行われる連携を集約するとともに、新たな連携が次々と生まれることが期待されます」と抱負を語りました。
蟻田社長は「当社は、自らを単なる洋菓子メーカーではなく、『お菓子を通じて人々のお困りごとを解決するコンサルタント業』と位置づけています。この理念と、神戸大学が取り組まれる『知と人を創る異分野共創研究教育グローバル拠点』というビジョンには、多くの共通点があると感じています。学問の枠を越えて社会課題を解決しようとされる姿勢に強く共鳴しました。今回の協定は、地域社会に根ざし、同時にグローバルな視野を持った新しい産学連携のモデルケースとなることを願っております」と話しました。



(研究推進部連携推進課、総務部広報課)