
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場内、フューチャーライフヴィレッジで開かれる「未来社会ショーケース事業」の「フューチャーライフエクスペリエンス」で、神戸大学のブース展示が9月30日に始まりました。7月に万博会場で開催された「第3回日本国際芸術祭」に続く出展となり、10月6日までの1週間、学生スタートアップ(起業)事業、本学教員による先端研究を紹介しています。
「未来社会ショーケース事業」は、次世代技術や社会システムの実証・実装を目的とした大阪・関西万博のプロジェクトです。未来の暮らしや社会の在り方を、企業や研究者、参加者とともに創り上げる「共創」の実践フィールドとして位置付けられています。
神戸大学も参加する「フューチャーライフエクスペリエンス」は、未来社会ショーケース事業の中の一つ「フューチャーライフ万博」の一環です。未来の食文化やヘルスケア、環境技術など、日常生活に密接に関わる分野の最先端技術と取り組みを展示します。未来の暮らしを実際に体感し、持続可能な社会の実現に向けた行動を考えるきっかけ作りを目指しています。国・政府関係機関、国際機関、自治体、大学、企業など90団体(2025年8月2日現在)が参加し、未来社会をリアルに形にする挑戦が繰り広げられます。
本学の展示には、ビジネスコンテストを勝ち抜いた学生チームと、最先端の研究を進める研究者が参加します。
学生チームは、シロアリ由来の水素生産技術を活用し、水素プラントのライセンス販売事業に取り組むことを構想している「HIM(ヒム)」と、アトピー性皮膚炎のかゆみを抑える緑茶染めインナーシャツを開発している「SkinNotes(スキンノーツ)」の2団体が、パネル展示します。若い感性と発想力を駆使して社会課題に挑み、SDGsに貢献する革新的なプロジェクトを紹介します。SkinNotesは、緑茶染めした手袋を期間中、来場の400人にプレゼントします。
また、スタートアップを進める研究者として、工学研究科・杉本泰准教授がシリコンナノ粒子を材料に開発した世界初の色材を展示します。理学研究科・津田明彦准教授が研究する光で化学品を作る「光ものづくり」を、写真パネルで視覚的にわかりやすく解説します。


このほか、本学と企業2社が連携する取り組みもパネル展示します。関西電力と連携している「SDGs連続講座」(計5回)の成果や、スケールアウト株式会社(企画制作、コンサルティング)との取り組みをアピールします。
展示スペース(32㎡)には、日英両方の解説パネル約10枚と写真パネル約20枚を展示しています。モニター2台を設置し、学生と研究者の取り組みを動画で紹介するほか、新しいナノ粒子塗料を塗ったミニカーや恐竜のフィギュア、SkinNotesの試作品となるインナーシャツや、染料に使う茶葉などもお披露目します。
展示に立ち会ったSkinNotes代表の竹内悠人さん(2025年、農学部卒業)は「展示会では、初めて試作品となるインナーシャツを本格的にお披露目しました。アトピーで多くの人が悩んでいることを理解し、それに対して、私たちは肌着でアプローチしているところを見てほしい」と話し、HIM代表の髙橋英眞さん(農学部3年生)は「世界に3000種いるシロアリで家を食べる害虫は、わずか数パーセント。一般には害虫と見られていますが、分解者として、いい面も持っています。これを機に、みんなでエネルギー問題も考えていけたらいいと思います」とアピールしていました。


また、今年3回目を迎える「SDGs未来ビジネス学生コンテスト」を、10月4日15時30分から、フューチャーライフヴィレッジ内のステージで開催します。出場するのは、本学、関西学院大学、甲南大学からの計9チームです。各5分間のプレゼンテーションを展開し、優秀なチームを表彰する予定です。一般の見学も30人程度可能です。なお、コンテストはオンラインでも同時配信を予定しています。
展示は、各日10時から21時まで。万博会場への入場はチケットが必要ですが、当イベントへの入場は予約不要です。

(SDGs推進室、総務部広報課)