
神戸大学統合研究拠点「バイオものづくり研究棟」が神戸市中央区港島南町のポートアイランド地区に完成し、10月29日に開所式が行われました。関係者約70人が出席し、本学バイオものづくりの新たな拠点となる施設の船出を盛大に祝いました。
同研究棟は、本学が2022年に開設した「デジタルバイオ・ライフサイエンスリサーチパーク(DBLR)」の一角を担い、グローバル・バイオクラスターの中核となる施設です。バイオものづくり分野の先端研究をさらに強化するとともに、外部の知識・技術を取り入れるオープンイノベーションを加速するため、異分野共創研究・スタートアップ創出を推進する「バイオものづくり共創拠点」となります。トップレベルの研究者や企業関係者が共創し、バイオ工学にデジタル技術を融合させた設備を軸に共同研究を進めます。また、周辺のインキュベーション施設とも連携し、スタートアップを養成する場として活用されます。
完成した研究棟は、鉄筋地上3階建て延べ約3000平方メートルです。外壁には多くの鋼管を施し景観に配慮、採光を確保しつつ、日射遮断、熱負荷低減を両立し、一部には曲線のデザインをあしらったユニークな建物です。1階の「アカデミア共創フロア」は、本学と他大学、さまざまな研究組織のトップ研究者が核となり、海外の研究者も招聘し、世界トップレベルの知を共創するフロアになります。また、ロボティクスやAI(人工知能)を用いたバイオファウンドリをはじめとする最先端の共用機器を導入し、バイオものづくり研究を加速させます。2階「オープンイノベーションフロア」は、研究発表会などの開催が可能なコワーキングスペースを配置し、周辺研究機関やスタートアップ、企業などのさまざまな研究者が垣根を越えて共創できるフロアです。3階には、プロジェクトラボ6室を設置し、共創から生まれたスタートアップ企業やバイオものづくり関連企業が入居して研究開発を推進します。
この施設は、文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の施設整備事業の補助金を活用して建設されました。研究棟2階に接続されたペデストリンアンデッキ(歩道)は、神戸医療イノベーションセンターなど周辺施設をはじめ、ポートライナー「計算科学センター駅」とも直結しており、研究者が容易に往来できるよう設計されています。



式典では、藤澤正人学長が冒頭、「バイオものづくり研究棟を、本学が推進するDBLRの新たな施設として加え、最先端の研究からスタートアップ創出までを推進する中核として、神戸医療産業都市のグローバル・バイオクラスターの一角を担っていきたいと存じます。さらには、既に整備が進んでいるメディカルクラスターとも連動させ、この神戸医療産業都市を世界有数のグローバル・メディカルバイオクラスターとして発展させられるよう、全力で運営に当たってまいります」とあいさつしました。
来賓の文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域振興課拠点形成・地域振興室の玉井利明室長補佐、日本学術振興会の塩田剛志理事、神戸市の久元喜造市長が祝辞を述べました。関係者によるテープカットを行った後、本学バイオものづくり共創研究拠点長の蓮沼誠久教授が施設概要の説明をし、参加者は真新しい施設を見学しました。





引き続き、同施設内で情報交換会が行われ、河端俊典理事・副学長の発声で乾杯し、和やかな雰囲気の中、参加者が交流を深めました。喜多隆理事・副学長が閉会の挨拶を述べました。
(研究推進部DBLR推進室、総務部広報課)