髙橋赳太郎師範胸像設置式が令和7年10月28日、艱貞堂で開催されました。

艱貞堂

髙橋赳太郎師範は代々無外流剣術を受け継ぐ姫路藩お抱えの剣術師範家の出であり、自身も明治期には警視庁撃剣世話掛を務めるなどし、同時期に採用された方々と併せて「警視庁の三郎三傑」とも謳われた剣術家です。

晩年には神戸商業大学時代において現在の本学公認課外活動団体剣道部の初代師範を務めていただきました。

髙橋赳太郎師範の胸像は師範が77歳のころ、艱貞堂が新築された際の開館式並びに喜寿祝賀会、記念演武会に際して、凌霜剣友会から贈呈されたものとなります。

胸像は髙橋家において大切に受け継がれていましたが、師範のひ孫の奥様にあたる髙橋矩子様から、師範の孫弟子であった粕井隆氏(本学卒業生)を通じて、今後は艱貞堂で大切に管理してほしいとして本学へのご寄附をいただき、この度の式典を実現する運びとなりました。

剣道部並びに剣友会(剣道部OB会)においても偉大な初代師範の胸像を寄附いただけることは非常に喜ばしく感じており、この度の胸像設置式は剣友会主催で開催されました。

式典においては主催者である剣友会会長の挨拶から始まり、除幕、胸像寄贈者である粕井氏の挨拶、玉置教育担当理事祝辞、そして最後に日本剣道形と無外流刃引之形、無外流居合術の記念演武が行われました。

飛岡剣友会会長からは「かつて凌霜剣友会からお贈りした胸像が遺族の方を経て再び艱貞堂に戻ってきたことに時空を超えた縁を感じる。髙橋先生の精神を時代へつなぐ象徴となる。粕井様には深く感謝する。」と時を超える人の縁への深い感謝を示す言葉がありました。

粕井氏は設置挨拶の中で「久方ぶりに道場にお戻りになり、これから存分に竹刀の音を楽しんでいただけることを嬉しく思う。」と髙橋師範に対する深い敬愛の想いを語りました。

玉置教育担当理事からは「髙橋先生のご尊顔を拝し気を引き締めることで、困難や苦しみの中でも正しい心を持ち、迷わない精神を育むことができれば、それが学生にとって得難い財産になる。」との言葉がありました。

日本剣道形の演武は髙橋師範が剣道部を作り上げた功績に応えるという想いを込めて、無外流居合術の演武は髙橋師範の孫弟子である粕井氏自身が師範に対しての想いを示すものとして、来場者を包み込むような気迫と共に流麗且つ大胆に展開されました。

初代師範が艱貞堂に帰還され、剣道部の学生らにとっても今後の励みになることを関係者の皆が祈念し、本式典は締めくくられました。

粕井様の設置挨拶
記念演武

(学務部学生支援課)