2025年11月8日(土)に、神戸大学六甲台第2キャンパスにて「第5回神戸大学中高生データサイエンスコンテスト」の最終選考会を開催しました。
このコンテストは、神戸大学における高大連携の取り組みの一環で、データサイエンスに興味がある中高生が自分のアイデアや能力を試す機会を提供し、データサイエンスの基礎を学び、データ分析や問題解決スキルを向上させることを目的としています。中高生がデータサイエンスに触れることで、将来のキャリアについても考えるきっかけとなることが期待されます。
第5回となる本年度のコンテストでは、架空の百貨店である「OBE百貨店」の経営課題に対して、「POSデータ」「会員向けアンケートデータ」等のデータセットを提供し、「データサイエンスによるOBE百貨店への成長戦略提案」という実践的なテーマに取り組んでもらいました。2025年6月にコンテストの応募要項が公開された後、全国から91チーム延べ367名の中高生から申し込みがあり、73チームから課題の提出がありました。
最終選考会には第2次選考を勝ち残った8チーム28名が参加し、プレゼンテーションと質疑応答を経て、最終審査員7名による厳正な審査が行われました。その結果、愛光高等学校「Aiko I」及び山脇学園高等学校「こむぎだいふく」の2チームが最優秀賞に、徳島県立城ノ内中等教育学校「データがでーた2」が中学生最優秀賞に選出され、優秀賞5チームとともに表彰状と記念品が授与されました。
また、本学「神戸みらい博士育成道場」(*)と連携し、道場の受講生である児童・生徒11名が、3名の神戸大学の学生のメンターとともに聴講し、データサイエンスにおける論理的思考を体験しました。
受賞チーム
| 最優秀賞 | 愛光高等学校 | 「AikoⅠ」 |
| 山脇学園高等学校 | 「こむぎだいふく」 | |
| 中学生最優秀賞 | 徳島県立城ノ内中等教育学校 | 「データがでーた2」 |
| 優秀賞 | 鳥羽商船高等専門学校 | 「インフィニティ田中」 |
| 広島県立広島叡智学園中学校 | 「アデルアンドヨーク」 | |
| 広島県立広島叡智学園高等学校 | 「ℵ57」 | |
| 神戸市立科学技術高等学校 | 「四つ葉データつむぎ隊」 | |
| 茨城県立竜ヶ崎第一高校附属中学校 | 「レゴラゴン」 |

<表彰式の様子>
主催:神戸大学
共催:神戸市、(株)日立システムズ
協賛:(株)新興出版社啓林館
後援:(株)日経サイエンス
*「神戸みらい博士育成道場」は、JST 次世代科学技術チャレンジプログラム (STELLAプログラム) の支援を受け本学が開催する小中学生を対象にした「未来を描く力」、「未来を切り拓く力」を持った未来の科学者やアントレプレナーを育成するプログラムです。
最終選考会詳細
最終選考会では、企業・行政を含む学内外の専門家である審査員から、質問が投げかけられ、それぞれのチームは、プレゼンテーションの内容をさらに良くするための多くの気づきを得ることができました。また、質疑応答・講評を通じて社会課題をデータサイエンス手法により分析し、提案にまとめる際の有益なアドバイスがありました。表彰式終了後も審査員の先生方、来賓の方々と参加生徒が活発に意見交換をしている姿が見られ、中高生のデータサイエンスに対する興味をより深める場となりました。
「神戸みらい博士育成道場」の児童・生徒は最終選考会のプレゼンテーションを聴講するとともに、事前セッションと事後セッションを行いました。参加の小中学生がデータサイエンスに親しむと同時に、データサイエンスを用いて課題を解決することへの意欲と関心を喚起する機会となりました。
神戸大学中高生データサイエンスコンテストについて
2021年に第1回が開催され、今年で5回目を迎えました。参加者数は例年、約20校、50チーム以上、200~300名に上ります。第1回~第4回は神戸大学数理・データサイエンスセンターが主催してきましたが、今回から神戸大学主催となって、全学をあげた高大連携の取り組みの1つに成長しました。
本コンテストは、中高生が、課題の設定からデータ分析までのプロセスを体験することによって、データサイエンスへの興味を深める機会を提供します。具体的には、課題データを分析し、分析結果をプレゼンテーション資料及び動画にまとめて提出します。予選は書類選考及びオンライン形式、最終審査および表彰式は、神戸大学にて対面形式で行われます。
今年度のコンテストでは、百貨店の成長戦略をテーマにデータサイエンスを活用した提案を行う課題を設定しました。与えられたデータセットに対して、統計的検定や多変量解析、機械学習などの多様な分析手法が適切に選択されているか、分析結果に基づいたデータを利活用した提案ができているか、アイデアがユニークか、提案された施策を実施してみようと思えたかなどの観点から選考が進められました。
参考URL
第5回神戸大学中高生データサイエンスコンテスト
(学務部学際教育課)