神戸大学は、2026年4月1日に大学院医学研究科と大学院保健学研究科を統合した大学院医学系研究科を設置しました。新研究科の設置記念式典を、同年5月9日に医学部会館シスメックスホールで開催しました。
医療保健を取り巻く課題は、複雑かつ多様化しており、もはや単一の専門分野のみで解決できるものではありません。いま求められているのは、多様な専門知が集い、医療や保健に関わる社会課題の解決と新たな価値創出を力強く、かつ機動的に実践する「総合知」の創出です。
医学系研究科は、先端的な基礎・臨床医学研究の推進、豊かな人間性・倫理観と高度な専門知識・技能を兼ね備えた医師・医療人・医学研究者の養成に取り組んできた歴史と使命を継承しつつ、新たな時代の要請に応えるべく設置されました。「総合知を持つ人材」の育成を掲げるとともに、多様なバックグラウンドを持つ教員が共創して世界的な課題の解決に資する研究成果とイノベーションを産み出すことを目標としています。
新たな研究科の船出を祝う設置記念式典には大学、自治体、関連企業などから約200名が参加しました。
冒頭、勝二郁夫医学系研究科長が式辞を述べ、研究科の理念や概要を説明しました。「新しい研究科は、国際水準の教育研究を一層深化させ、世界へ発信する拠点として歩みを進めるとともに、次世代の医療と社会を切り拓く人材を世界へ送り出すことを使命とし、その実現に向けて教職員一同、全力で教育研究に邁進します」と力強いメッセージを示しました。
続いて、藤澤正人学長があいさつに立ち、「本学は『知と人を創る異分野共創研究教育グローバル拠点』をビジョンとして掲げ、先端的な研究・開発と、優秀な博士人材の育成に取り組んでいます。新設した医学系研究科では、卓越した研究者が結集して世界的な課題の解決に資する研究成果とイノベーションを産み出すとともに、『総合知を持つ人材』の育成を目標として、自治体、地域企業、地域の大学、病院からの期待にこたえたい」と抱負を語りました。
その後、文部科学省の合田哲雄高等教育局長(同局国立大学法人支援課・村尾崇課長代読)、厚生労働省の森光敬子医政局長(同局医事課・中田勝己課長代読)、齋藤元彦兵庫県知事(保健医療部・山下輝夫部長代読)、久元喜造神戸市長からの祝辞があり、各省庁、自治体が行う施策と、神戸大学への期待が述べられました。
石田達郎副研究科長は、医学系研究科の具体的な取り組みを紹介しました。修士課程に「先進生命医科学系専攻」を設置し、バイオメディカルサイエンス、医療創成工学、健康科学、未来社会医学の各領域を横断的に学ぶ教育体制を構築。博士課程には「医科学専攻」と「医療創成工学専攻」に加えて、「未来社会医学専攻」と「健康科学専攻」を新設し、専門知の深化と分野間連携を図る体制を整えたことが紹介されました。「総合知」を有して、地域社会から国際社会まで幅広く活躍する次世代の保健医療人の育成を目指すことが披露されました。
引き続き、神戸大学医学部出身で鹿児島大学長を務められ、本学経営協議会委員でもある鹿児島市病院事業管理者の佐野輝先生が記念講演で登壇しました。佐野先生は神戸との縁に触れつつ、ご自身の学長経験に基づく大学経営における医学系分野の重要性を強調し、本学医学系研究科の理念に対する賛同と激励のメッセージを送ってくださいました。
記念講演に続き、「未来に輝く高度医療人材の育成」をテーマにパネルディスカッションが行われました。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「医学系研究支援プログラム」に本学と共同で採択されている広島大学医系科学研究科の岡村仁研究科長、本学も深くかかわる神戸医療産業都市構想を主導する神戸市の森浩三企画調整局長、本学との連携大学院も設置している兵庫県立はりま姫路総合医療センターの木下芳一院長、本学との大型産学連携を行っている医療機器メーカー・シスメックス株式会社の吉田智一常務執行役員CTO、本学大学院医学系研究科の勝二研究科長がパネリストとして登壇しました。医学系研究科の秋末敏宏副研究科長が座長を務め、パネリストは各々の立場から人材育成の取り組みと課題、大学への期待を語りました。本学の医学系研究科が目指す「総合知」の重要性が話題になりました。
記念式典には、新研究科教員に加え、多くの大学院生も参加し、式典後の祝賀会では多くの交流が生まれました。










(医学部総務課、企画部広報課)