農学研究科藤本龍准教授が、平成29年3月29日~30日に名古屋大学で開催された日本育種学会第131回講演会において、独創的で発展性のある研究成果をあげた40歳未満の若手会員に贈呈される「平成28年度日本育種学会奨励賞」を受賞しました。

受賞業績

アブラナ科植物におけるゲノム多様性および雑種強勢に関する研究

研究の概要

藤本龍准教授は、シロイヌナズナ及びアブラナ科野菜を用いて、雑種強勢の研究に従事し、シロイヌナズナとハクサイにおいて、生育初期の子葉、本葉の面積拡大による、個体当たりの光合成量の増加が雑種強勢において重要であることを明らかにしました (Fujimoto et al. 2012, Saeki et al. 2016)。さらに、ハクサイにおいては、生育初期と収量の関係性や、遺伝的な系統間距離と雑種強勢には関連性が見られず、特定の領域のヘテロ接合性が重要である可能性を明らかにしました (Kawamura et al. 2016)。また、シロイヌナズナ、その近縁種、アブラナ科野菜を用いてエピジェネティックな制御が植物の遺伝子発現制御に与える影響について明らかにしており (Fujimoto et al. 2008, 2011)、近年、このエピジェネティックな制御が雑種強勢を発揮するのに重要である可能性を示しました (Kawanabe et al. 2016)。

これらに加えて、基本種および異種ゲノム間に見られるゲノムの多様化機構に新知見を加えた他、アブラナ科野菜の耐病性遺伝子や自家不和合性遺伝子の解析を実施し、DNAマーカーを利用した育種法の現場への導入に積極的に取り組んでいます (Shimizu et al. 2014, Kawamura et al. 2017)。また、雑種強勢を利用した一代雑種品種育成の採種に用いられる自家不和合性研究においても著しい業績を挙げています。このようなアブラナ科植物を用いた長年の研究業績が評価され、日本育種学会奨励賞の受賞に至りました。

  • Fujimoto R et al. (2008) PLoS Genet 4: e1000048.
  • Fujimoto R et al. (2011) Plant J 66: 831-843.
  • Fujimoto R et al. (2012) Proc Natl Acad Sci USA 109: 7109-7114.
  • Shimizu M et al. (2014) Plant Mol Biol 85: 247–257.
  • Kawamura K and Kawanabe T et al. (2016) Plant Gene 1: 1-7.
  • Saeki N and Kawanabe T et al. (2016) BMC Plant Biol 16: 45.
  • Kawanabe T, Ishikura S, and Miyaji N et al. (2016) Proc Natl Acad Sci USA 113: E6704-E6711.
  • Kawamura K, Shimizu M, and Kawanabe T et al. (2017) Euphytica 213: 28.

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